街道レーサー仕様のニュースクールとは
このGX71マークII、派手なカラーリングばかり注目されるが、実はそれだけでなく、新旧パーツを組み合わせたニュースタイルの街道レーサーであったことが、今回の取材で判明した。
フロントは定番のロングノーズにジャパンレース用スポイラーを装着し、外出しオイルクーラーをセット。フェンダーはオーバーフェンダーを使わずに叩き出しによって処理し、ミラーは昔懐かしビタローニF1ミラーを装着。フロントウインドのハチマキには、お店の看板に族車らしく「麗心愚」の文字を加えて主張する。
ここまでは、いわゆる街道レーサー仕様としてのオールドスクールの部分である。装着しているパーツはまさに当時流行ったスタイルだ。
では、ニュースクールの部分はどこかといえば、それはサスペンションにあった。昔であればノーサス、あるいは純正サス2巻半カットがセオリーだったが、このクルマには車高の上げ下げを自在に行えるエアサスを装着していたのである。
今どきの便利なモノを積極的に使いながらも、昔ながらの族車の部分はちゃんと残したリメイクを施す。これが寿し門司の店主・門司知治さん流のニュースタイル街道レーサーだった。
また、ペイントにおいてもボディ全体にラメを使って輝かせる手法は当時はなかった。こちらも今風のアレンジと言える部分だろう。
最後に、このクルマに実際に走らせているのかを訊ねてみた。さすがに普段から乗ることはなく、イベント用に向けたショーモデルとして展示することがメインとのこと。
「さすがに良い歳なので、昔のようにギンギンに走るわけにはいかないですよね。なので、大阪オートメッセの会場でこのクルマを見て、みんなが若かったあの頃を思い出してくれたら嬉しいな、という気持ちで出展しました」