新型カングーは「クラストップの積載容量」を目指して開発
しかし、それには理由がありそうだ。というのは、全長が210mm伸びたのは、おそらくデザイン的なもので、むしろホイールベースが15mmしか伸びておらず、さらにこれから説明するラゲッジルームの容量アップが、その秘密と考えられるのだ。
新型カングーは「クラストップの積載容量」を目指して開発されている。実際、商用車ベースゆえの四角四面で出っ張りのない使いやすいラゲッジルームは、後席使用時の容量で先代より115L増えた775L、後席格納時では先代より132L増しの2800Lを実現。
寸法としては後席使用時の奥行きは先代比+100mmの1020mm、後席格納時で先代比+80mmの1880mmとなっている(メーカーデータ)。つまり、新型は後席より「クラストップの積載容量」を目指すため、キャビンに対してラゲッジスペース優先パッケージとなり、それゆえに後席膝周り空間はやや減っていると考えられる。
なお、ダブルバックドアを継続採用した(当初は日本仕様のみの設定だった)ラゲッジルームの開口部地上高は、先代の545mmに対して新型が実測570mm。世界のステーションワゴンの平均値が620mmだから、依然、重い荷物の出し入れは楽々である。
ちなみに、ダブルバックドアが最初に開く左側を全開にしたときの車体後部に必要なスペースは、先代の995mmに対して新型は825mmと、より車体後方が狭い場所でも開けやすくなっていた。いずれにしても、室内空間のゆとりは依然カングーならではで、荷物の積載性、積載力が増したことになる。つまり乗用ユーティリティカーとしての資質が一段と高まったことは間違いない。
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今回の新型カングーのパッケージング新旧型比較の報告はここまで。このあと、新型ガソリンターボ、ディーゼルターボのそれぞれの試乗記(カングー初の先進運転支援機能の搭載の詳細含む)、ガソリンVSディーゼルモデルの走行性能比較、アウトドア目線での新型の実用度、そして愛犬家&愛犬目線での使い勝手検証などについてあらためて報告したい。