アメリカを気ままに放浪3カ月:48日目~51日目
これまで2度にわたりアメリカを放浪してきた筆者。還暦を過ぎた2022年4月から7月にかけて、人生3度目のアメリカひとり旅にチャレンジしてきた。相棒は、1991年式トヨタ「ハイラックス」をベースにしたキャンピングカー「ドルフィン」。愛称は「ドル」。ロサンゼルスから北上してきて50日、ワシントン州のオリンピック国立公園へ近づいてきました。
6月16日 コロンビア川流域の峡谷ドライビングコース
コロンビア川は太平洋に注ぐ北アメリカで最大の川だ。上流の町フッドリバーまでは、「リバー・ゴージュ」と呼ばれる絶景ドライビングコースとして知られる。川が浸食した谷を氷河が豪快に削り取ったため、両岸が切り立った峡谷(gorge)になったのだ。
この谷を海からの冷たい風が吹き抜ける。そのため冬は雪が多く、フッド山はじめウインターリゾートが数多くある。また、強い風を利用したウインドサーフィンも盛んだ。河口から200kmも上流でウインドサーフィン? と思ったが、実際に高速で滑るサーファーを見かけた。
谷の景観は右岸も左岸も同じように見えるが、観光開発されているのはオレゴン側だけ。ワシントン州は商売がうまくないのかもしれない。
次なる目的地はオリンピック国立公園
そろそろ、今回の旅の最大の目的地であるワシントン州のオリンピック国立公園の計画を立てようとウェブサイトを確認すると、なんとキャンプ場がどこも埋まってしまっている。言い方は悪いが、僻地の国立公園など行く人が少ないだろうと勝手に思い込んだのがいけなかった。今頃になって、近年、オリンピック国立公園の人気が高いことを知るハメになった。
「どうしよう」と焦っていると、カリフォルニア州やシアトルの観光プロモーションを代行しているコネクトワールドワイドのボ
このマーシャさんが切れ者で、何を質問しても完璧な資料を送ってくれる。彼女の指南を頼りに、なんとか計画が具体的になっていった。
オリンポス山を時計回りにぐるりと一周するプラン
オリンピック国立公園は、オリンポス山を中心にしてタイヤのスポーク状に観光地への道が伸びている。つまり、一筆書きに回るのは無理で、行っては戻り行っては戻りを繰り返しながら、ぐるりと一周することになる。
最初に予約が取れたのは、公園の南西側にあるクイノールト湖のウィラビー・キャンプ場。それを基点に時計回りに、海岸沿いのカラロック、北西のソルダック・ホットスプリングスと予約を取っていった。
一番人気のホーはどうしても取れなかったが、近くにあるボガチエル・ステートパークを押さえることができた。一般的には、北東の表玄関ポート・エンジェルスから入る人が多いらしいが、逆回りとなった。まあ、それはいいだろう。マーシャさんのおかげで何とか旅程が組めただけでも幸せだ。
空き時間を過ごすキャンプ場、勘違いで悲しいことに……
しかし、最初の目的地に入るのが希望よりも先になり、2、3日時間を持て余すことになってしまった。しかも、また雨である。せっかくゲーリーに修理をしてもらったが、しとしとと長雨に降られて、またじわりと雨漏りが始まった。
どうせなら早く行ってしまおうと検索すると、同じクイノールト湖にフォールズ・クリーク・キャンプグラウンドというのが見つかった。ウィラビーのすぐ近くだ。それをうまい具合に2泊、押さえることができた。これで国立公園により長く滞在できる。
ところが、朝、「ドル」に乗り込みナビを設
雨漏りはするわ、当日の宿が決まらないわ、という絶体絶命の窮地に立たされて、気持ちがガクンと落ち込んだ。これが2回目のスランプだった。
6月18~19日 オーシャンシティ・ステートパークに飛び込みキャンプ
痛む胸を押さえ、これも試練だと自らを奮い立たせ、ドルと一緒にオリンピック半島南端を西に向かった。運悪く土曜だったため、飛び込みで入るキャンプ場はどこもいっぱいだ。そして、夕刻、何とか海岸沿いのオーシャンシティ・ステートパークに空いているサイトを見つけることができた。200以上もあるサイトのうち、残っていたのは6つだけだった。
チェックインすると、ようやく天気も回復した。ビーチに出ると気持ちのいい景色が広がっている。ピクニックテーブルの上に乗って、自分で雨漏りの修理も行った。
ゆったりと2泊するうちにスランプから抜け出し、翌日からのオリンピック国立公園を目指す意欲が沸いてきた。
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