ヒューマンエラーを回避しクラスアップに成功!
全国各地で頻繁に開催されているクラシックラリー。一見するとパレードランに見えなくもないが、じつは違う。ラリー競技では主催者が指定したルートをコ・ドライバー(ナビゲーター)がドライバーに的確に伝え、決められた区間を決められた時間で走るといったステージが用意される。今回AMW編集部は「Japan classic Rally 2023 MOJI」に参加し、上位入賞を目指すためにラリーコンピューターを新しくした。はたして結果はいかに。
クラシックカーラリーのルールをおさらい
あらためてルールについて説明をすると、クラシックカーラリーは2名1チームで、助手席に座ったコ・ドライバーがルートマップ(主催者が製作したコマ地図)を見て、そこに記された道を正確に走ってドライバーと一緒に指定された地点を巡っている。マップには交差点などの要所のみ書かれた抽象的な記号と合計距離が記されており、上手くナビゲートしないとミスコースにつながるので重要な役目だ。
また、ルート上には、スタンプポイントと決められた区間を設定された時間でいかに正確に走行することができるか? を競う「PC(Prove Cronometrate:イタリア語でタイムトライアルの意)競技」が用意されている。このシーンでもコ・ドライバーが主役となる。なお、ラリーによっては指定された時刻に計測ラインを前輪で踏みながら通過し、その誤差を競うCO競技や、主催者が設定した速度で走行するアベレージ走行競技なども実施されている。
前回は機械トラブルに見舞われながらもCクラス5位
PC競技の計測は路面に設置されたスタートラインを前輪が通過した瞬間に開始され、コ・ドライバーが秒数をカウントしながらゴールラインを目指している。秒数をカウントするための計測器は年々進化しているが、以前はキッチンタイマーが使用されていた。
2022年から「クラシックジャパンラリー」への参戦取材を開始したAMW編集部チームは、同年5月20日~22日に開催された「クラシックジャパンラリー2022 横浜 Y163」ではスペシャルショップ「オートモービルアシスト・ブレス」の代表からお借りしている計測器のTIME SHOTを使い、機械トラブルに見舞われながらも結果はCクラスの5位(獲得ポイント:25985)で終わった。
そのリベンジを果たすべく、2022年11月24日~27日に開催された「クラシックジャパンラリー2022 門司」ではマツダ コスモスポーツのオーナーからお借りした計測器のRALLY TIME KEEPERを使用した。
Bクラスにランクアップ!
ここまで読んで察した方もいるかもしれないが、クラシックカーラリーはコ・ドライバーの方が頭を使う。とくに今回の機械は、ボタンの数が多く、ラリーコンピューターとも呼ばれているRALLY TIME KEEPERは、操作方法がTIME SHOTよりも複雑だった。
AMW編集部チームの場合、一緒に仕事はするもののプライベートで交流を深めているわけではない。そのため練習する時間もなく、スタート地点となる門司港に到着してからのぶっつけ本番となった。正直に胸の内を明かすと「クラシックジャパンラリー2022 門司」で上手く使えるか心配だった。クラシックカーラリーは何かが少しでも変わると上手くいくとは限らないからだ。
しかし、コ・ドライバーの見事な取り扱い&声出しによるカウントダウンで的確に指示してくれたので、Bクラスの5位相当(獲得ポイント:42425)という2戦目にしては好リザルトでフィニッシュすることができた。機材を変えることで、明らかに成績がアップしたといえるだろう。
ちなみに「クラシックジャパンラリー」では有効競技区間から各車ワーストタイム3区間を排除した数値で誤差平均を算出し、3段階のクラス分けを行っている。
Aクラスは対象区間の誤差平均タイムが0.00秒以上~0.07秒以下のドライバーおよびクラシックジャパンラリー過去大会の総合順位優勝~5位までの入賞ドライバー、Bクラスは対象区間の誤差平均タイムが0.08秒以上~0.15秒以下のドライバー、Cクラスは対象区間の誤差平均タイムが0.16秒以上~0.30秒以下のドライバーといった感じだ。上記のほかにクラス外もあり、こちらは対象区間の誤差平均タイムが0.31秒以上のドライバーということになる。
順位アップの秘訣は機材にあり!
RALLY TIME KEEPERは、内蔵バッテリーがあるため前夜にホテル内で入力した秒数を保存することができた。さらに一度にたくさんの秒数も入力が可能だ。競技直前にシガーソケットから電源を取り、慌てて秒数を入力して、バタバタした状態でPC競技に臨んでいたTIME SHOTよりも大幅にリラックスした状態で走行できる点が成績アップにつながったのだと思う。入力した秒数が間違っていないかをチェックするゆとりがうまれ、ヒューマンエラーを回避できたことも大きかった。