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【特別インタビュー】純正品より厳しい基準で消費者の安心・安全を守るJASMAの活動とは? JASMA事業部長水口大輔氏に伺いました

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TEXT: 塩見 誠(SHIOMI Makoto)  PHOTO: 神村 聖

純正マフラーでも経年劣化で音量は大きくなる

マフラーというのはエンジンから出る排気ガスを外部に排出するパーツである。エンジンは混合気を内部で爆発させることで動力を得ているのだが、マフラーがなければ爆音となってしまう。さらに、排気ガスに含まれる有毒物質を無害化する触媒も排気系パーツに含まれる。

その、気筒ごとに爆発タイミングが違うことから生まれる排気ガスの流れを上手く活かせば、より燃焼室の充填効率を高めたり排気ガスの流速を高めることもできるし、排気管の径を変えることで流速をコントロールすることもできる。とくにターボエンジンでは、排気ガスの流速がタービンの回り方に関わってくるため、排気系のチューニングは効果が大きい。

その上で大きいのは、排気音のコントロールである。排気ガスに含まれている音エネルギーを熱に変換することで音量を減衰させるのが消音器、サイレンサーの役割だ。ノーマル車の排気系に装備されているサイレンサーは、膨張室を組み合わせることで消音をしていることが多い。

ノーマルのマフラーは、コスト面から鉄製であることがほとんどだ。デメリットは、重くなることと腐食に弱いということだ。とくに膨張室を組み合わせてつくられているサイレンサー部は、重い上に排気ガスに含まれている水分が溜まりやすく、錆びて穴が開きやすい。

長く安心して使用できるマフラーのために

そこでJASMAでは、こういったノーマルマフラーの弱点を補うパーツをつくりながらも、国が定めた保安基準よりも厳しい自主規制値を設けることで、JASMAプレート(H22年3月31日までの生産車両対応)、並びにH22年規制会員専用プレート(H22年4月1日以降の生産車両対応)のある製品であれば問題ないと認可されるように活動を続けている。

「アフターのマフラーは、純正マフラーの多くが鉄製であるのに対して、当初はアルミメッキ鋼板に耐腐食塗料を塗ったものを材料につくられていました。現在はステンレスやチタンなどを素材とするものが主になっています。これは耐腐食性の高さということから選ばれています。

エンジンの性能を追求していくと、排気ガスの温度が高くなりがちで、エンジン出口とマフラー出口の排気ガスの温度差が大きくなります。それに耐えられるよりいい素材を選ぶというのは大事なことです。

またサイレンサー部を、純正と同じような膨張室を組み合わせたものとすると排気抵抗が大きくなってしまいますので、サイレンサー部にグラスウールを使い、排気管をパンチングパイプとして排気ガスをそこで膨張させて消音する、という方法を主に使うのですが、保安基準よりも消音しようとするとやはりこの部分が重くなってしまいます。

こうしたことも含めてマフラー全体の重量を軽くするためにも、やはりいい素材は必要となります。マフラー交換をすることで性能向上と音量アップではなく音質改善ができるというのが、JASMA認定品のマフラーなのです」

* * *

次回はJASMA認定や保安基準適合、車検対応の違いや、マフラーの今後についてお話を伺うことにしよう。

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  • 塩見 誠(SHIOMI Makoto)
  • 塩見 誠(SHIOMI Makoto)
  • 1965年生まれ。学生時代からオートバイとクルマに熱中し、自動車雑誌編集ののちフリーランスライターに。これまでAE86トレノ、CC72Vアルトワークス、E38AギャランVR-4RS、1980年式シロッコ、CD9Aランサー・エボリューション、プジョー306スタイルなど、クルマを乗り継ぐ。オートバイはCB250RS、RZ250、ZZ-R1100、T-MAXなどつねに複数台所有。現在の愛車はフタ桁ナンバーのアルファ ロメオ156V6とサーキット遊び用のNCP91ヴィッツRS・TRDターボM、JA45クロスカブ。
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