シトロエンクラブジャポンの新春MTGに1台だけ参加していたアミ8
2023年2月19日(日)に埼玉県行田市にある古代蓮の里公園で行われた「CCJ(シトロエンクラブジャポン)関東地区新春ミーティング」。シトロエンオーナーなら誰でも参加OKで、事前登録も必要なくオープンに参加できるイベントとなっていた。新旧合わせて80台以上も集まったシトロエン車から、気になるクルマのオーナーに直撃してみた。
機能面で2CVの流れを汲むアミ8
1961年、シトロエンが当時ラインナップしていた「DS」と「2CV」の間を埋めるモデルとしてデビューしたのが、2CVのメカニカルコンポーネンツを流用し、新たなボディスタイリングが与えられた「アミ6」。搭載するエンジンも2CV同様、空冷水平対向2気筒OHVとなっていたが、ボア&ストロークの延長で排気量は602ccに拡大されパワーもアップ。さらに重量が増加していたにも関わらず、空気抵抗の少ないボディで最高速は2CVを上回っていた。その後マイナーチェンジを経て、1969年には2ボックス・ファストバックスタイルの新しいボディに載せ替えた「アミ8」がデビューすることになった。
2CVの上位モデルとして位置づけられていたアミ8だが、現在では2CVに比べてその姿を見かけることは少ない。実際、この日のミーティングでもさまざまな2CVが参加していたの対し、アミ8は1台のみの参加だった。その1970年式シトロエン・アミ8のオーナーの大塚俊樹さんは、5年前に2CVと乗り換える形でアミ8を購入したそうだ。
電装系以外はほぼノーマルの個体を購入
このアミ8がベルギーから輸入され、ショップでエンジンの整備を行った後のタイミングで購入したという大塚さん。基本的にはノーマルとなっているが、購入時に電装系の変更を行っている。
「ダイナモやイグニッションを交換していて、点火系は旧いサンバーのものです。ショップの人に、旧いままにしますか、新しいのにしますかと聞かれて、新しくしたんです。止まるのも嫌だったので」
「こんなに単純なのに、乗り心地がいいんです」
ところで、前に乗っていた2CVと比較すると、アミ8とはどんなクルマなのだろうか。
「あまり変わらないですね、乗り心地は両方いいですし。大き目の段差のところなんかは、サイズも同じような国産の軽と比べても全然いいですね。なんでこんな単純なのにいいんだろうって、思います。パワーもこれは25HPなんですが、絶対値として低いレベルなんで大した違いはないです。アミに乗り換えたのは他の人があまリ乗っていないっていうのと、デザインが好きだったからです」
路上トラブルに慌てず対応できるのはさすが旧車乗り
整備済みのものを購入したので今まで大きなトラブルはないそうだが、じつはこのイベントに来る際にちょっとしたトラブルがあったようだ。
「さっき故障したんですよ、交差点のところで。シフトレバーの動きをミッションに伝えるジョイント部分のリンクが外れまして。ロックのピンが抜けただけなんで、針金で応急処置してここまで来ました。それ以外は調子いいですよ」
針金でトラブルに即応してしまうところは、さすが旧車乗りといったところだろう。2気筒エンジンの軽快な音とクラシック・シトロエンの魔法のような乗り心地を楽しんでいる様が伝わってくるのだった。