旧型Z34は「新型Zを打ち負かす」をコンセプトとしたツインターボ仕様
RZ34の隣には先代のZ34もディスプレイ。「旧型Zで新型Zを打ち負かす」というコンセプトで製作されたマシンは、2022年にTRUSTから発売されたばかりのVQ37VHRエンジン用ボルトオンターボ(GReddyボルトオンターボキット T517Z-8cm2ツイン)仕様だ。
ボンネットを開けてもパイピング類が目立つ程度で、「見た目にさりげなく、それでいて速い」を望むオーナーには好印象だろう。エンジン内部には手を加えていないため、過給圧は0.5kg/cm2と控えめだが、RZ34のデモカーとほぼ同じ数値(約471ps/約63.8kgm)を叩き出している。
パワーアップに対して容量不足となるインジェクターはR35GT-R用570ccを流用(燃料ポンプはサード製に交換)し、パーツは市販品のみを使って仕上げるなど、コストパフォーマンスについても考慮されているのもポイントだ。ちなみにエアロパーツはフロントリップがバリス製、サイドステップとリアウイングがセイボン製、リアンダーがキュリオスモデルス製となっている。
ターボ化にともなうヒート対策として、HKS製のオイルクーラーとDRL製の水冷オイルクーラーを投入し、高負荷状態でも安定した水温・油温を保つことはテストで確認済み。足まわりにアラゴスタ車高調、ブレーキにENDLESSの大型ブレーキキャリパーキットを投入しているのは共通だ。
Z34はエンジン内部まで手を入れ安心して走れる500psオーバーを目指す!
旧型となってしまったが、ポテンシャルは今なお高く、なにより中古車相場が比較的安く、チューンドベースとして最適なのは魅力に映る(新型が約524万円~に対して、旧型の中古車相場はATで100万円~、MTで200万円~)。
フェニックスパワーはこれまでNAからスーパーチャージャー、そしてターボに至るまで数多くのマシンメイクを手掛け、ノウハウは豊富にある。今後はエンジン内部まで手を入れて、安心して走れる500psオーバー仕様の製作を予定しているとのことで、これは「RZ34よりもZ34のほうが好き」というオーナーにとっては朗報。新型が出たからといって、魅力的なスポーツカーに対しては開発に手を緩めないのはフェニックスパワーらしい。
新型を購入し納車を待って徐々にチューンを楽しむのか、すでに熟成された旧型を手に入れて好みの仕様に即アップデートするのか。スタイリングの好みはさておき、新旧フェアレディZのチューニングは悩ましく、そして楽しみに溢れている。