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480馬力! 新型日産「フェアレディZ」のライトチューン仕様とは? 旧型「Z34」もまだまだ楽しめます

RZ34のフロントマスク

OAM2023で最大級となる10台のカスタマイズカーを展示!

来場者数20万人を突破し、多くのカスタマイズファンが訪れた「OAM(大阪オートメッセ)2023」。スポーツカーを中心とした個性豊かなチューンドカーがずらりと並んだ6B号館で、OAMで最大級となる10台のデモカーを揃えたのが、全国の有力チューニングショップが集う技術集団「CLUB RH9」を牽引する「フェニックスパワー」だ。

新型RZ34はチューンドECUと排気系のみでなんと477ps/83.4kgmを達成

日産「R35GT-R」「フェアレディZ」「スカイライン400R」、トヨタ「GR86」「GRヤリス」「GRスープラ」など最新スポーツモデルを中心とした展示は、チューニング業界の最先端を駆け抜ける同社らしいラインアップであった。

なかでも来場者をもっとも集めていたのは、やはり新型フェアレディZ(RZ34)だろう。いまだ納車待ちが続く状態で、街中で見る機会が少ないこともあり、カメラを向け、シャッターを切る人は非常に多かった。

チューニングについてはまだ始まったばかりで、パワー系はオリジナルのアプリケーションCPU(チューンドECU)にTRUST製のキャタライザー&マフラーを組み合わせただけ。それでもパワーは純正比70ps強、トルクに至っては約35kgmの大幅アップ(約477ps/約83.4kgm)を達成している。これはほぼ同じVR30DETTエンジンを搭載するスカイライン400Rで数多くの実績があるため到達できたとのこと。

エアロパーツについては2023年1月に発表されたばかりのBLITZ製を装着。フロントリップ/ガーニッシュ/サイドステップ/リアアンダーサイド/リップスポイラーの組み合わせだが、派手さがなくスマートな印象は新型Zの雰囲気にマッチする。

足まわりはアラゴスタ製車高調、ブレーキはエンドレス製の大型キャリパーキットとパフォーマンスアップに対してしっかりと強化。トータルバランスに優れたチューニングが施されている。今後はサーキットでの熱対策が必須であるため、冷却系(400Rで効果的のあったヒートエクスチェンジャー)から着手し、まずは安心して走れるパッケージを構築することから進めていくそうだ。

旧型Z34は「新型Zを打ち負かす」をコンセプトとしたツインターボ仕様

RZ34の隣には先代のZ34もディスプレイ。「旧型Zで新型Zを打ち負かす」というコンセプトで製作されたマシンは、2022年にTRUSTから発売されたばかりのVQ37VHRエンジン用ボルトオンターボ(GReddyボルトオンターボキット T517Z-8cm2ツイン)仕様だ。

ボンネットを開けてもパイピング類が目立つ程度で、「見た目にさりげなく、それでいて速い」を望むオーナーには好印象だろう。エンジン内部には手を加えていないため、過給圧は0.5kg/cm2と控えめだが、RZ34のデモカーとほぼ同じ数値(約471ps/約63.8kgm)を叩き出している。

パワーアップに対して容量不足となるインジェクターはR35GT-R用570ccを流用(燃料ポンプはサード製に交換)し、パーツは市販品のみを使って仕上げるなど、コストパフォーマンスについても考慮されているのもポイントだ。ちなみにエアロパーツはフロントリップがバリス製、サイドステップとリアウイングがセイボン製、リアンダーがキュリオスモデルス製となっている。

ターボ化にともなうヒート対策として、HKS製のオイルクーラーとDRL製の水冷オイルクーラーを投入し、高負荷状態でも安定した水温・油温を保つことはテストで確認済み。足まわりにアラゴスタ車高調、ブレーキにENDLESSの大型ブレーキキャリパーキットを投入しているのは共通だ。

Z34はエンジン内部まで手を入れ安心して走れる500psオーバーを目指す!

旧型となってしまったが、ポテンシャルは今なお高く、なにより中古車相場が比較的安く、チューンドベースとして最適なのは魅力に映る(新型が約524万円~に対して、旧型の中古車相場はATで100万円~、MTで200万円~)。

フェニックスパワーはこれまでNAからスーパーチャージャー、そしてターボに至るまで数多くのマシンメイクを手掛け、ノウハウは豊富にある。今後はエンジン内部まで手を入れて、安心して走れる500psオーバー仕様の製作を予定しているとのことで、これは「RZ34よりもZ34のほうが好き」というオーナーにとっては朗報。新型が出たからといって、魅力的なスポーツカーに対しては開発に手を緩めないのはフェニックスパワーらしい。

新型を購入し納車を待って徐々にチューンを楽しむのか、すでに熟成された旧型を手に入れて好みの仕様に即アップデートするのか。スタイリングの好みはさておき、新旧フェアレディZのチューニングは悩ましく、そして楽しみに溢れている。

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