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ヘルメットと同じくらい大切な「ハンズ」とは? サーキット走行初心者でも「HANS」を装着すべき理由を解説します

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TEXT: 加茂 新(KAMO Arata)  PHOTO: AMW編集部

HANSを使うには6点式ハーネスと対応シートが必須

そこで重要になるのがフルハーネスだ。これまでは4点式が一般的だったが、HANSにともなって4点式はレースでは使用できなくなった。HANSを正しく作用させるためにはシートベルトをキツく締める必要がある。4点式シートベルトは腰のベルトを相当強く締めておかないと、肩ベルトをグイグイ締めるとバックルごと持ち上がってしまうことがあった。そうなるとクラッシュ時に内臓にダメージを与えやすく大変危険だ。

そこで股下2箇所に固定したハーネスを下からバックルに差す6点式が義務化となった。一時は5点式という股下から1本のベルトが伸びるタイプもあったが、現在はより強固に固定できる6点式が義務化されている。股ベルトがあるため、肩ベルトを強く締めてもバックルがズリ上がることはない。しっかりとカラダが固定できることで、HANSの効果もキッチリと発揮できる。

あわせて、シートも股下ベルトを通すための穴の開いたモデルでないと対応できなくなった。昔のクルマで使っていたシートと4点式ベルトはもはや使えなくなったのである。

極論、レースに出るわけではないのなら4点式ベルトでHANSを使っても効果がなくはない。しかし、本来の効果を発揮させるには6点式ハーネスを選んでもらいたいところだ。

初心者でもヘルメット+HANS装着が現代の常識だ

「HANSはもっと速く走れるようになったら導入したい」という人も多いが、大きな間違い。プロでもアマチュアでも速度に大差はない。プロが160km/hで走るところをアマチュアの初心者でも100km/hは出ているはずである。ちょっと慣れた人ならプロと数km/hしか変わらない。その速度からクラッシュしたら多大なるGが掛かる。首にも大きな負担が掛かり、ダメージを負ってしまうこともある。

そういった怪我を防ぐためのパーツなので「まだ自分は遅いからHANSなんて恥ずかしい」とか、「首が回しにくいので装着しない」とか言っている場合ではないのである。世界的に義務化が進められていて、レースの世界ではHANSをしないのはヘルメットを被らないのと同じことなのである。これからはサーキットを走る全員がHANSを使用してもらいたい。

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  • 加茂 新(KAMO Arata)
  • 加茂 新(KAMO Arata)
  • チューニングライター。1983年生まれ。父が初代VWゴルフ、シトロエンBX、ZXなどを乗り継いでいた影響で16歳で中型バイク(ZRX400)を購入し、大阪芸大時代にAE86を購入。卒業後はチューニング&ドラテク専門誌を15年間製作し(約2年の編集長を含む)、数多くのレースにも参戦。2021年春よりフリーランスとなる。過去には180SX、S15、NA8、SCP10、86前期&後期を所有。現愛車はAE86、GR86、ZC33Sスイフトスポーツ、CBR954RR。
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