「OAM2023」に懐かしのアメ車が登場
カスタムカーの祭典である大阪オートメッセには、歴代の名車達も数多く展示された。その中でAMWが注目した1台がNEWINGブースに置かれていた懐かしのアメ車ポンティアック「ファイヤーバード」だ(「トランザム」は、ファイヤーバードの最上級グレードのことを指す)」。
映画の劇中車としても有名な「ファイヤーバード」
ファイヤーバードは1967年にシボレー「カマロ」の兄弟車としてデビュー。1970年にはその血統を受け継ぐ2代目が登場し、マッスルカーのイメージからよりスタイリッシュなスポーツカーへとフルモデルチェンジを果たした。我々が良く知るボンネットに巨大な火の鳥(ファイヤーバード)を描いたモデルもこの2代目で、1973年のマイナーチェンジによって誕生する。
数多くの映画にも登場し、カーチェイスやスタントシーンに使われることが多かったポファイヤーバード。その代表作と言えば、年齢的に50代の方ならご存じのバート・レイノルズが主演を務めた『トランザム7000』だ。
パトカーと壮絶なカーチェイスが盛り込まれた爆走カーアクションは、その頃、幼かった我々に衝撃を与えたものである。また、同時にそのストーリーにのめり込み、胸躍らされながらハラハラ、ドキドキ、ワクワクがとまらない作品だった。この映画の影響で、アメ車が好きなったという方もきっと多いことだろう。
日本のスポーツカーもこぞって採用した「Tバールーフ」
そんなポンティアック・ファイヤーバードは日本のクルマにも大きな影響を与えた1台だった。それは、このクルマが採用していたTバールーフである。
このTバールーフは、シボレー・カマロとポティアック・トランザムからはじまり、ファイヤーバードに受け継がれて人気を博した。一説によるとTバールーフは、当時、厳しくなったオープンカー規制に課せられた安全基準をクリアするための処置として考案され、1970年代から1980年代にアメリカで発売された多くのスポーツカーに採用されたという。
そのデザインは日本のスポーツカーにも影響を与えて、日産「フェアレディZ」やトヨタ「スープラ」、「MR2」といったクルマに純正採用されたわけだ。
また、フェイスリフトを受けたファイヤーバードは通称「イーグルマスク」と呼ばれていた。その理由は、鋭いフロントマスクが鷲のようにシャープに見えることに由来している。
ただし1980年代に入ると環境問題への取り組みから、排ガス規制等の影響を受けて、デビュー当時よりも性能ダウンを余儀なくされた。その結果、生産は1981年で打ち切りとなり、翌1982年からは3代目モデルに移行。実はこのクルマも後に有名になったアメリカのTV番組『ナイトライダー』に登場した「ナイト2000」のベースモデルとして劇中で大活躍することになる。