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トヨタ「MR2」はスーパーカールックを安価に提供した日本が誇るミッドシップカーでした

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TEXT: 御堀直嗣(Mihori Naotsugu)  PHOTO: AMW編集部

MR2は日本が誇るべきミッドシップカー

ミッドシップカーは、前後重量配分が後輪寄りとなり、ハンドル操作に対し応答がやや遅れる感じを受けるかもしれない。FFはもとより、FRでさえ、客室の前にエンジンを搭載する場合は前輪の荷重が大きく、その分、ハンドル操作に対しタイヤの応答が早く伝わってくる。

しかしミッドシップでは前輪荷重が少ないため、応答遅れの印象をはじめは持つかもしれない。そこで余計にハンドルを切り過ぎると、スピンしかねないことにもなる。そこから、ミッドシップは運転が難しいといわれることになる。

だが、それはFFやFRの感覚のまま運転操作をするからであり、ミッドシップにはミッドシップの運転の仕方がある。後輪の荷重が多めだとはいえ、前輪と後輪の間にエンジンと人が乗るため、動き出したらその挙動は遅れの少ない、一体感のある動作になる。ハンドルを切り過ぎず、アクセル操作をより丁寧に行うことで、ミッドシップカーはより速くカーブを駆けぬけることができるのである。トヨタMR2の走り

ことに左右へのカーブの切り替えしが連続する場面では、車体の荷重移動を素早く収め、俊敏に抜けていくことができる。

挙動が過敏で難しいのではなく、ミッドシップの特性を知ったうえで、それに合わせた運転ができるかどうかなのだ。それさえ身に着ければ、よりクルマと一体感のある醍醐味を楽しめる。それを、身近な価格でわれわれに伝えたのがMR2なのである。日本が誇るべきミッドシップカーといっていいだろう。

MR2は、1989年に2代目へ引き継がれ、車体寸法はやや大きくなり、外観はより洗練された姿になった。そして1999年にMR-Sへ至り、ここでミッドシップオープンカーとなった。マツダが1989年にロードスターを発売したが、トヨタはミッドシップでオープンエアを楽しませようとしたのである。

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