ステップ2では610psを誇る
ACシュニッツァーが、M3ツーリングのために設定したエンジンチューニング・プログラムは2ステージ。ノーマルのM3ツーリングに搭載される3L直列6気筒ツインターボエンジンは、最高出力で510ps、最大トルクでは650Nmを発揮するものだが、同社はこれに独自のECUを組み合わせることで、590ps&750Nmのステップ1仕様と、さらに高性能な610ps&750Nmの性能を誇るステップ2仕様を設定してきた。
両チューニングはもちろん組み立ての保証とホモロゲーションを含むもの。高性能版のステップ2には、ACシュニッツァー・ツイン・スポーツ・リアサイレンサーと、110mm径で迫力ある片側2本のカーボン製スポーツテールパイプが装備されるが、パワフルでスポーティなサウンドと排気効率の改善は大きな見どころであるという。
ハンドリングは基本的にスタンダードなM3ツーリングと同様にセッティングされている
前後のサスペンションは、ACシュニッツァーがシャシーチューニングの哲学とする、「硬さよりも速さを優先する」という言葉を見事に具現化したものだ。独自のスプリングキットによって、車高はフロントのみ15~20mmのローダウンが可能。リアサスペンションにはノーマルのスプリングがそのまま使用されるが、これはアジャスタブルなRSコイルオーバー・サスペンションに変更することもできる。
ハンドリングは基本的にスタンダードなM3ツーリングと同様にセッティングされており、荷重移動による反応の良さと限界域での穏やかなアンダーステアが演出されている。
軽量構造の「AC3」ホイールは前後ともに20インチ径。タイヤサイズはフロントが285/30R20、リアが295/30R20をチョイスする。さらに同サイズの「AC1」ホイールも選択可能だという。エクステリアではほかに、フロントスプリッターやサイドスカート、リアウイングなどから構成されるデザイン・パッケージが用意されている。
これらはもちろんデザインを洗練させることのみならず、M3ツーリングのエアロダイナミクスをさらに向上させるためのアイテム。その実力はアウトバーンなどでの高速走行で、明確にドライバーへと伝わるのだろう。第6世代にして初めてM3に設定されたツーリング。その購入を考えるカスタマーには、これらのアイテムはじつに魅力的な存在だ。