レーシングマシンのノウハウを取り入れたエアロパーツを開発する名門
2023年で創業35年目を迎える「ガレージベリー」。レーシングマシンのボディ製作を礎に、設計から製造まで一貫して自社工場で行う体制を敷き、スタイリングだけでなく、優れたフィッティング性が高く評価されているエアロパーツメーカーだ。このガレージベリーが「OAM(大阪オートメッセ)2023」に出展した最新作を紹介しよう。
大阪オートメッセ2023ではGR86&RZ34用の新作を披露
1988年に設立したガレージベリーの最初のオリジナルエアロパーツは、マツダ「ロードスター」用であり、モータースポーツの世界で多くのチームに採用されて世に広く知れ渡ったことで、アフターマーケットでは「ガレージベリー=ロードスター」のイメージは強い。
だが、じつは国内全メーカーに加え、海外メーカーではフォルクスワーゲン、アウディ、アバルトまで含んだ計12メーカーを取り扱い、ジャンルもスポーツカーだけでなくセダンやミニバン、さらにSUVやバンなど幅広く手がける総合エアロパーツメーカーである。SNSなどで「このエアロ、カッコいいな」と思い検索すると、ガレージベリー製だったことも十分ありうるわけだ。
ラインアップするブランドは、ロードスター専門の「ワインディングダンサー」、国産のミニバン、コンパクトカーなどを幅広い車種を扱う「ベリーヴァリアント」、輸入車用の「ベリーライフェ」、そして国産スポーツカー用の「ベリー」の4つ。今回の「大阪オートメッセ(OAM)2023」に持ち込まれたトヨタ「GR86」&日産RZ34「フェアレディZ」用は、「ベリー」ブランドとなる。
ガレージベリーオリジナルの「グライドリップ」とは?
同社は少し前まで、ロードスターのレース用として本格的なワイドボディも製作していた。ただ、レース用エアロパーツも「車検対応ベース」という規定を採用するカテゴリーが増えてきたため、現在はそのほかの車種を含めて車検対応が前提であり、装着もビスと両面テープだけで、簡単に取り付けられるように設計。そのなかでボリューム感やワイド感を出す工夫を凝らしているという。
最新トレンドといえるのが、「グライドリップ」と命名されたサイドカナード一体型のフロントスポイラーだ。カナード形状で整流とダウンフォースを確保しつつ、車検対応の出幅30mm内でいかにワイド感を演出するか、を考え抜いてたどり着いたデザインはGR86もRZ34も共通となる。
もうひとつ注目したいのはリアスポイラーである。GR86の3分割に対してRZ34は一体成型となるが、フェンダーまで回り込み、エッジが立っているデザインは同じ。サイドビューから見たときは存在感、やや俯瞰から見たときにはワイド感が際立つディテールとなっている。