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キャンプ場で物足りなくなったら自分だけの山を購入しよう! 山選びの注意点をお教えします【おとなの山遊びVol.7】

山小屋イメージ

写真では分かりにくいが右に向かってやや下っている。平坦な土地を探すのは意外に難しい

遊びにもいいところと苦労するところがある

山小屋も完成し、いよいよ本格的に山遊びをスタートさせ、山での楽しさや苦労話を紹介しましたが、じつは山を選ぶ際に気をつけたい注意点もあります。値段の安さだけに釣られて購入を決めてしまうと、痛い目にあうので要注意。経験談を交えて解説します。

思い切って山を手に入れるのは最高の贅沢

コロナ禍で加速したと言っていいアウトドアブーム。屋内どころか野外のイベントも自粛が相次ぎ、飲食店も多くが休業や時短営業を余儀なくされ、旅行なんて気軽に行ける雰囲気ではなくなった。見知らぬ人と適度な距離を置くことができ、受け付けなどを除きマスク不要なキャンプは、数少ないストレス解消の場といえるだろう。

しかし、流行るほどキャンプ場の予約は取りにくくなり、マナーの悪いユーザーが増えるなどの弊害も出てくる。そこで聞くようになったのが、自分の山を買うという選択肢だ。私有地なら家族や仲間はもちろん、ひとりでも占有でき、法を犯さない限り何をやるにしても自分がルール。山の値段や固定資産税なんてたかが知れており、圧倒的な自由は何ものにも代え難い魅力がある。

ただし、落とし穴がないワケではない。この遊びを始めてまだまだ日は浅いながらも、筆者が学んだ失敗しないためのコツを挙げてみる。

失敗しないためのポイント1:自宅から程よい距離感

まず場所は「自宅から極端に遠くない」こと。自然が豊かで安いとなれば必然的に市街地から離れることになり、そうでなければいい環境とは呼べないかもしれないが、どんなに遠くても自宅から2時間くらいが限度だと思う。

当たり前に仕事をしている人なら通えるのは頑張っても週に1日、ほかの用事も考えれば月に1~2回の時期ということもあるはず。初めのうちこそノリと勢いですべての休みを作業に費やせるかもしれないが、遠ければ遠いほど現地で過ごす時間は短くなり、交通費の負担も増える。1日は24時間しかなく、使える予算は限られるということを頭に入れたうえで土地を選定しよう。

失敗しないためのポイント2:広すぎもダメな熟慮したい土地選び

続いての教訓は「広すぎる土地は手に余る」だ。筆者の遊び場は約300坪だが1/3は手付かずのまま、木の伐採どころか草刈りすらマトモにできていない。薮が多いほど湿気はこもり、風通しも悪いうえに害虫やヘビの温床となって危険度が跳ね上がる。

もうひとつ、「平坦な面積はどれくらいか」も重要。知り合いが500~600坪の激安な土地を買おうと検討したことがあり、本人は沢に面しているからと乗り気なものの大部分が結構な急斜面だった。ログハウスを建てるどころかテントを張るのも難しく、安くて当然と言うしかない物件で当然ながらパスした。

失敗しないためのポイント3:麓の施設をしっかりと把握すること

そして、「人里から極端に離れすぎない」のも、万が一のケガや急病を考えると大切だろう。脅すワケではないがチェーンソーや斧で負傷したり、クマやスズメバチの被害を受ける可能性もある。携帯電話が繋がって救援を呼べる場所であればベストであり、イチバン近くにある救急病院も把握しておけばより安心だ。

ちなみに筆者の場合は3大キャリアのうち1社しか通じず、MNPを利用して電波の入る事業者に乗り換えた。人里が近すぎると興を削がれるかもしれないが、作業では急な買い物が出るということは日常茶飯事。ある程度の近さにホームセンターやスーパーマーケット、そしてコンビニやガソリンスタンドがあると非常に便利だ。

地方では使っていない山林を持て余している人が意外に多く、筆者も何度か「使っていいよ」と声をかけられた経験がある。そのなかで理想にもっとも近いのが現在の場所で、自宅から1時間かからず通うことができ、手付かずのエリアも今年中に片付けられ、全体的に傾斜しているとはいえ許容範囲であり、電話は繋がり人里までもさほど遠くない。

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すべてを満たす土地とはなかなか巡り会えないかもしれないが、生涯の趣味としてセカンドハウス作りまでを考えているのなら、妥協できる部分とできない部分を熟慮したうえで場所を選ぼう。

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