ボディカラーだけでなくラインや書体も当時物にこだわる
装着しているパーツがわりとシンプルなのも当時仕様の特徴。現在のようにパーツがたくさんある時代ではなかったので、付けられる物は工夫しながら現車に合わせて取り付ける。これがあたり前だった。
フロントマスクの印象が通常のダルマセリカと違って見えるのは、ヘッドライトを変更しているからだ。当時の族車はライトで個性的なアピールをする改造が流行っていて、このクルマは角目4灯ヘッドライトに交換することで、改造車として主張しながらシャープで鋭いフロントマスクを作り出した。
実のところ、現代の技術やパーツを使えば、もっと色々出来る事はたくさんある。だが、あくまでも目指したのは当時仕様なので、そこから外れるようなコトはしたくないというのが、ずっくんのカスタムに対する考え方だった。
このクルマ、細かい仕様については、当時のコトを良く知る大先輩“761”さんから指導を受けて作ったそうだ。その761さんとは製作途中でこんなエピソードがあったという。
「だいぶ出来上がった段階で761先輩に見せようとSNSで画像を送信……。すると早速のダメ出し。どうやら最初に貼っていたボンネットとドアに入れた数字の47(誕生年)の黒いカッティングが無いよねぇーということ。そして書体についてもダメ出しを食らってしまいまいした。
その指摘から、当時スタイルならココは赤じゃないと絶対にダメと言われたんですね。そして、書体もこっちで作って送ってやるよ、と」
こうした厳しくも愛情のある親切な先輩のお陰もあって、ずっくんのダルマセリカは見事な族車として完成した。
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当時の仕様をきっちり再現したい。それを大阪オートメッセの会場に持って行き、みんなに昭和ならではの改造車を見て感じてもらいたい。ずっくんは、このダルマセリカを作ることで、我々に日本のカスタム文化が開花した当時の、グラチャン仕様の意志を受け継ぐ暴走族仕様をリアルに伝え、教えてくれたように思う。