当時のアイテムを現代版にアレンジ
ノスタルジック2デイズでFUJITSUBOが展示していたのは2代目のTE37型トヨタ「カローラレビン」。DOHCを身近な存在にした2T-Gエンジンを搭載しているこのモデルに、懐かしのFUJITSUBOパーツを復刻し装着していました。市販化も検討されているとのことなので、2T-Gユーザーにとっては注目の車両です。
販売台数の少ないレアな「TE37レビン」を展示
FUJITSUBOの藤壺社長が若き頃愛車としていたTE37レビン。2022年のノスタルジック2デイズに出展されていたのを見て、社長は懐かしさのあまりずっと気になっていたそうです。そんなキッカケからTE37レビンを入手。2023年のノスタルジック2デイズで展示するにあたり大急ぎで排気系アイテムを製作し、装着できたのは搬入のため出発する1時間前だったとのこと。
セリカにも搭載されていた2T-Gエンジンをカローラのボディに搭載し、DOHCの高性能エンジンをより多くの人が手にすることができるきっかけとなった初代TE27レビンはヒット作となり、現代でもレストアされた車両をイベントなどで見る機会はあります。しかし、このTE37は生産された時期が短かったため、生産台数は250台ほど。そのため、ブースを訪れた来場者から「これは珍しい!」という声が聞こえてきました。
レース用の2T-Gエキマニを復刻
今回、TE37レビンに装着したアイテムは、エキゾーストマニホールドやマフラーを中心とした排気系一式。とくに2T-Gユーザーにとってホットなパーツと言えるのがエキゾーストマニホールドです。これは当時レース用でFUJITSUBOから販売されていたアイテムを現代版にアレンジし復刻したもの。残っていた当時の治具を活用し、ステンレスで新たに製作したそうです。
治具が残っているなら簡単に復刻できると思う人もいるかもしれませんが、当時使われていた素材はスチール。スチール用の治具でステンレスを扱う場合、課題となったのが素材の硬さの違いでした。ステンレスの方が硬いため同じように曲げることは難しく、試行錯誤の結果、ステンレスで当時と同じような形状とすることができたのです。
また、当時を感じさせるポイントとして挙げられるのが、テールエンドに刻まれた昔のFUJITSUBOロゴ。富士スピードウェイ旧コースとFUJITSUBOのFがモチーフとなっており、当時からのファンにとっては嬉しいことでしょう。
ユーザーのニーズをくみ取った創意工夫もプラス
今回展示にあたり、TE37レビンに装着されたパーツの市販化は検討中だが、前向きに考えていきたいとのこと。とくにエキゾーストマニホールドはほかの2T-G搭載車両にも流用できるケースが多いため、復刻販売を望むユーザーは多いことでしょう。
また、この年代のクルマは年式によって取り付け部のフランジの太さが違う、といった細かな違いが存在することはよくあることです。そんな違いにも対応するべく、ユーザーがDIYの作業で叩いて外すことができる狭いカラーを装着し、太いフランジに装着する場合はそのカラーを外して装着することが可能となっているのも、ユーザーにとってはありがたいポイントです。
このように旧車ユーザーの痒い所に手が届く工夫がされたアイテムは重宝されること間違いなしでしょう。今後FUJITSUBOとしては旧車向けの排気系パーツも復刻や新規開発を行い、力を入れていきたいとのこと。今回の取材でそれが単純に過去のアイテムをふたたび販売するだけではなく、ユーザーの声を反映し、創意工夫の上で手がけていくという思いがしっかりと伝わってきました。旧車ユーザーは、ぜひ今後のFUJITSUBOの展開に注目していただきたいです。