完走者にはフィニッシャープレートが授与
初日にはもうひとつSSが用意されている。こちらは、雨竜サーキットというミニサーキットでのナイトSS。日中の白くて反射してしまっているコースとは異なり、コース脇の雪庇が高く、迷路のようになったサーキットは、コースがヘッドライトに照らされ白く浮かび上がる。非日常的なシーンは極めて幻想的だ。
2本目のSS終了後は、そのまま各車がホテルへ向かう。そして翌2日目は今回の目玉企画であるヨコハマタイヤの冬季テストコース。ここでは氷盤や圧雪路を体験した。テストに使うようなこういった路面はやはり冬の北海道を走っていても別物。参加者からはもっと時間を取ってもらいたかった、と好評であった。
テストコースを出たらあとはロングコース。ひたすら稚内を目指す全行程300kmの長旅だ。この2日目の夜の稚内では、ラリー主催者による夕食会が開かれ、前日の最初のセッションの動画を鑑賞しながら、参加者がより親交を深める良い機会となった。
3日目はSSの設定がなく、時間も余裕を見た設定となっており、さらに到着したホテルでは夕食を用意していないというルート。参加者の多くが、流氷が着岸した船の「ガリンコ号」に乗船。予約が取れず、翌日の早朝のラリースタート前に出航する船に乗ったというツワモノも。
そしてオホーツク紋別をスタートする4日目は、これまでの比較的穏やかな3日間とは異なり、少し風も出て、雪の多い1日となった。それでも各車が順調にルートを進行し、最後のSSも走り切って、無事に旭岳温泉のホテルに到着。1台のマシントラブルによるリタイア以外は全車が事故なく4日間を走り切り、無事に完走者の証であるフィニッシャープレートを受け取った。
第3回目の大会を終えて、ビッグタンク代表の春木久史さんは次のようにコメントしている。
「冬の北海道を象徴するルートに盛り込みたいということで、最北端と流氷を設定しました。あとは僕の好みで、雪をかぶった針葉樹林帯の美しさを毎日堪能してもらえるよう今年のコースを決めました。あとはサロベツ原野から見る利尻富士も宝石みたいに美しく、運が良くなければ見れないですが、それにも賭けてみました。全部見えなくてもおかしくないのに、今回は全部見ることができて、本当に幸運としか言えません」
自分の目で見て、刻々と変わっていく雪道をドライブし、そして冬の味覚を味わう。冬の北海道を安全にまるごと楽しめるイベントはなかなかない。雪が嫌い、冬は嫌い、という向きにもおすすめだ。