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ジーンズの聖地・児島に約100年前の「フィアット」が存在した! クルマ好きが岡山に行ったらカフェ「ワーゲン」へ行ってみよう

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TEXT: 石田 徹  PHOTO: 石田 徹

倉敷市の老舗カフェ「ワーゲン」のオーナーは筋金入りのカーガイ

今や「ジーンズの街」として売り出し中の岡山県倉敷市・児島エリア。その観光名所となりつつあるジーンズストリートからも程近いカフェレストラン「ワーゲン」を数年ぶりに訪問してきた。店名からお察しのとおり、この記事でのメインの話題はクルマなのだが、見どころが多すぎて、何から先に紹介していいか迷うほど。まずは、国内に現存する最古のフィアット車から見ていこう。

1928年にナンバー登録された「フィアット509」は2オーナー

オープンが1969年というから、2023年で54年目を迎える老舗のカフェレストラン「ワーゲン」。オーナーの片山章一さんは自ら立ち上げた「三菱500オーナーズクラブ」の会長としても大活躍している。同じ倉敷市内に水島製作所を擁するお膝元ということもあって三菱車の大ファンなのだが、懐はもっと大きく、真のクルマ好き「カーガイ」なのだ。その証拠が、お店の裏手のガレージに鎮座する1920年代の「フィアット509」だろう。

この個体は当時、フィアットの代理店だった梁瀨自動車(現ヤナセ)が輸入し、岡山市で内科の開業医をしていた友澤 昇さんが購入したもの。実際にナンバー「岡606」が交付されたのは翌1928年だが、イタリア本国で生産されていたのが1925~27年の期間という記録が残っている。その友澤さんが亡くなった1980年代に親族などに引き取り手がいなかったため、白羽の矢が立った先が片山さん。つまり車齢まもなく100歳に達しようとしているが、れっきとした2オーナー車なのだ。

岡山大空襲を奇跡的に生き延びたクルマ

じつは岡山市は第2次世界大戦の終戦の年、1945年6月29日に米軍の大空襲を受けている。当時の市内のほとんどが延焼し、もちろん自動車も同じ運命だった。ところが友澤先生はその前日、たまたま倉敷にこのクルマで往診に出かけたところ、お酒が好きで飲んでしまったために当地にとどまっていたそう。つまり、奇跡的に空襲に遭わずに生き残った「強運のクルマ」でもある。そのせいか、幼少期の片山さんには選挙カーとして使われていた姿が記憶に残っているそうだ。

スペックとしては全長3700mm×全幅1420mmの4人乗りで、総重量は1085kg。直列4気筒の1L SOHCエンジンを搭載して、パワーは22hp/3400rpmだ。トランスミッションは3速マニュアルで、最高速度は78km/hと言われている。当時のフィアットとしては最大の排気量で、単板クラッチや4輪ブレーキも初採用の技術だったとのこと。なにより驚くのは右側がブレーキ、中央の小さいペダルがアクセル、左側がクラッチという「BAC」の順のペダル配置だろう。

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