雪降る鳴子温泉で聖地「日本こけし館」へ
ほっきめしの後は再び高速に乗って、利府経由で東北道に入り、古川ICで降りてひたすら鳴子温泉を目指します。山に向かうにつれて粉雪が舞い始めて、ちょうど鳴子温泉郷のあたりから本格的な降雪となりました。まだ幹線道路には雪が積もっていない程度でしたが、鳴子のこけしの聖地「日本こけし館」(1月~3月末は冬季休館)に入っていく道は立派な積雪路と化しています。
試しにまっさらな雪の積もった広場に入ってみたところ、今度はガソリンエンジンである2.0TSIが、ディーゼル並みに安定して低回転域から厚いトルクを提供してくれるのにビックリ。最大トルク320Nmを1500~4100rpmで発揮するのです。クルマによってはスタックするかも? と心配になる雪の上でも、4MOTIONを「スノー」モードにして、停止状態から、軽いアクセル操作でギュッギュッと新雪を踏みしめて頼もしく動けるのでした。
日本こけし館のスタッフさんに、アウトドア活動しすぎて塗装がにじんできちゃったと相談したところ、すぐに私の生みの親である職人さんに連絡してくれました。こけしは屋内で引きこもることが多いし、屋外を出歩いてるこけしは珍しいと思うのですが、職人さんは「もともと子どものおもちゃだから、気にしないでどんどん出かけて」とニコニコ言ってくれて、表面に保護用の蝋をコーティングしてくれたのでした。これでさらにアクティブに活動できます!
そうそう、2022年秋に大きなこけしタワーの首が落ちちゃって話題になっていた「岩下こけし資料館」も、クラウドファンディングのおかげで復活してましたよ。
山形蔵王の厳しい雪道でもヒヤっとすることなし
翌日は山を越えて山形蔵王に行きました。ご存じのとおり、こけしは東北各地の温泉で土産物として育まれてきたので、系統によってスタイルも多彩です。今回はティグアンの4MOTIONの実力を試すべくさらに雪深い山形へ足を延ばし、蔵王温泉の「田中こけし家」さんを訪問してみました。
ふもとの方は道路に雪が積もっていないのですが、標高が上がるにつれて、道路がシャーベット状になり、さらに進むとセンターライン側はグシャグシャのシャーベット、車線の外側はガチガチの圧雪、それもまだら状で轍(わだち)もあり。ドライバーにとって悪夢のような区間になります。
VWの4MOTIONは湿式多板クラッチ「ハルデックスカップリング」によって、前後の駆動トルクを100:0~50:50まで状況に応じて配分するシステムだそうです。スノーモードで走ると、ESCと連携してつねに素早く横滑りやホイールスピンを抑えてくれて、制御が入ったのかどうか、素人のこけしだとかなり注意してないと分からないレベルです。じつは同じ道を同じ時期に別のメーカーの4WD車で走ったことがあって、そのときはたまにズルっとしてヒヤヒヤしたのですが、今回はそんな状況になりませんでした。
スキー場エリアを抜けて、蔵王エコーライン(閉鎖中)へ向かう道を登ると路面はドライな圧雪ときどき氷結でしたが、そこでも走る・曲がる・止まるのすべてに不安なし。ミシュランのスタッドレスタイヤも日本で開発しているそうですし、4MOTIONとX-ICE SNOWの組み合わせはとっても心強いのでした。
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山形蔵王のスキー場にも2輪駆動のクルマがいっぱい来ていましたし、キチンとしたスタッドレスタイヤを装着していればクルマの行きかう道を走っている限りはそんなに問題は無いのも事実。でもやっぱり、雪の積もった駐車場や、間違って脇道に入ってしまったときなど、4WDの信頼性によって旅の楽しさも大きく左右されると思います。
VWのSUVはトガったところはないかわり、いつでもどこでも「当たり前に」乗れるマジメさと安心感こそ、こけし的には一番の魅力だと思います。TSI 4MOTIONが加わったことで、ティグアンの「当たり前」を雪国でも味わえるようになったと言えそうです。