2T-Gは音でも聞かせる銘エンジンだった
2T-Gエンジンは、直列4気筒のパンチ力を体感させる出力特性だけでなく、音でも聞かせる銘エンジンといえる一つで、その高性能さは、F3で世界的に主流となることからも伺える。欧州のF3シリーズで、それまでのフォード製からトヨタ製へ一変してしまうのである。それほど海外でも注目されるDOHCエンジンだった。
国内のノーマルカーレースでも、敵なしの強さでクラス優勝を手にしていた。それほど、他に類を見ない存在でもあったのだ。
後輪のサスペンションは、リーフスプリングを使うリジッドアクスルだったが、それは当時としては当たり前の形式であり、一方、セリカはコイルスプリングを使っていたが、形式で優劣を語る意味はない。それをうまく仕立て、操れるようになることこそ、クルマ好きの誉となる時代だ。
当時、ツーリングカーレースを席巻したB110サニークーペも、リーフスプリングのリジッドアクスルだったのである。しかもエンジンは、プッシュロッドを持つOHV(オーバー・ヘッド・バルブ)であった。それでも同じクラスでサニークーペに叶う車種はいなかったのである。
TE27のレビン/トレノは、いまでも思い出すと心躍り胸が熱くなるクルマであり、2T-Gの腹に響く排気音さえ蘇る。