高回転型エンジンの鼓動を日頃から味わうという贅沢
こうした由緒あるヒストリックカーを所有しながら、イベントだけでなく、日頃からドライブすることを何よりの楽しみにしているKさん。
取材時も普段と同じく、周辺のワインディングロードを楽しむべく、バスタブのような形状のコクピットへ慣れた動作で乗り込む。エンジン始動とともにタコメーターの針が跳ね上がる。高回転型にチューニングされたエンジン特有の落ち着かないアイドリングだが、その鼓動を聴いているだけで、気持ちを高揚させてくれるという。
エンジン出力は47馬力と絶対的なパワーは限られているものの、3500回転を超えてからは抜群の加速を味わわせてくれ、スムーズな回頭性やノンアシストながらも踏み込めばしっかりと減速するブレーキなど、軽量ボディならではの運動性に裏打ちされたドライビングの心地よさは唯一無二の世界。アバルトの魅力にすっかりハマっていったという。
このアバルト・ゴッチアを皮切りに、この後4台のサソリがガレージに住み込むことになるKさん。ゴッチアに乗り始めたときはまだ、サソリの猛毒にやられていることに気づいていないのであった。