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ポルシェ「911」のルーツ「356」とは? クラシックカーラリーで重宝がられる資質を解説します

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典/村田尚弥/山口賢二

人気の理由は乗りやすさにあった

ポルシェ356が何ゆえにクラシックカーラリーでも人気なのかというと、車体のリアエンドに搭載された空冷水平対向4気筒OHVエンジンが恐ろしく丈夫で扱いやすく、なおかつ、速いからである。まさに三拍子揃ったスポーツカーなので、クラシックカーラリー参戦時に活用する自動車趣味人がたくさんいるのだ。

実際に空冷ポルシェ911も愛用している356オーナーによると、4気筒エンジンを搭載している356は6気筒エンジンの911よりも気難しさがなく、軽快に走ることができるという。そのドライブフィールが愛車を手足のように扱うことが求められるクラシックカーラリーに適しているのだ。

ポルシェ356は初心者にも優しいラリー向きのマシン

また、ポルシェ356は長距離を走行しても壊れにくく、空冷水平対向4気筒OHVエンジンは低回転域からトルクが発生するため、発進直後のコースが上り坂になっていることがあるPC競技で有利なのである。さらに、高速道路での移動が楽という美点もある(もちろん、法定速度内で走行するが余力があるので走りやすい)。

PC競技ではコ・ドライバーが計測ラインを踏む前輪とラリーコンピュータを交互に見ながら走っているので、ドライバーがアクセルやブレーキを頻繁に踏むと頭の位置が動いてしまい、正確なカウントダウンができなくなる。

1963年式ポルシェ356 C

ポルシェ356の場合、運転操作がしやすく、パワー&トルクやギヤ比が絶妙なため、一定の速度でスムーズに走行することが可能だ。つまり、コ・ドライバーの目線がズレない点もクラシックカーラリー競技におけるアドバンテージポイントになるのであった。

* * *

現在では価格が高騰してしまい、最低でも1500万円ぐらいの軍資金がないと買えなくなってしまったが、自動車趣味のアガリの一台にもなるポルシェ356は、クラシックカーラリーの現場においても常に注目される存在となっている。ちなみに筆者のオススメは、4輪ディスクブレーキ仕様で実用性が高く、現在ユーズドカーの流通数が多い356 Cだ。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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