小さいクルマでも積載能力はある!
小学生以下の子どもと親子3人で行くキャンプは、ワクワク感や自然の中での数多くの楽しみで満たされるに違いなく、素晴らしい思い出にもなるはずだ。では、どんなクルマに乗っていくのがベストなのか? その答えは、上記のワクワク感を目いっぱい演出できるクルマではないだろうか。
両側スライドドアを備えたクルマは室内高も高い
例えばスライドドア。ヒンジ式ドアはけっこう現実的だが、横にスライドするドアからクルマに乗り込むと、新幹線のドアから乗車するような特別感があり、旅行に出かけるスイッチになりうる。
しかも、両側スライドドアを備えたクルマは室内高も高く、アウトドア、キャンプで子どもが泥んこになって遊んだあとの車内での着替えも容易(身長によっては立ったまま着替えさせることができるだろう)。
また、両側スライドドアを備えたクルマのほとんどは後席スライド機構を備えているから、後席を前寄りにスライドすれば前席の両親との距離も縮まり、長距離・長時間のドライブでは退屈になりがちな時間も、より家族の一体感が強まり、盛り上がれるというものだ。
とはいえ、両側スライドドア車=中大型ミニバンは、子ども1人の家族にとっては持て余し気味になるはず。そこでお薦めしたいのが、両側スライドドアを備えた2列シートのパッケージで、アウトドア&キャンプ用品をしっかり積めるラゲッジルームに余裕があるクルマということになる。
5ナンバースライドドアで探してみると……
例えば、普通乗用車なら5ナンバーサイズで扱いやすく、価格もリーズナブルにして、室内広々のボックス型ボディに両側スライドドアを備えたトヨタ「ルーミー」、その兄弟車のダイハツ「トール」、スズキ「ソリオ」、その兄弟車の三菱「デリカD:2」が挙げられる。
両車のラゲッジルームはアウトドア、キャンプにもうってつけで、ルーミー/トールの場合、奥行き500~700mm(後席スライド位置による)、幅1035mm、最小天井高990mmと広大。
も奥行き550~715mm(後席スライド位置による)、幅1030mm、最小天井高1020mmとさらに広大だ。すでに説明したように、後席の子どもの着座位置と前席の両親との距離を縮めるため、後席を前にスライドさせれば、ラゲッジルームの奥行を最大限に生かせ、大容量のラゲッジスペースを稼ぎ出せることになる。
また、室内高がルーミー/トールで1355mm、ソリオも1360mmもあるため、身長140cm以下の子どもであれば、ほぼほぼ立ったまま車内での着替えが可能。じつにユースフルに使える4台となる。ちなみにエンジンはルーミー/トールが3気筒ターボ&NA、ソリオ/デリカD:2が4気筒NAで、マイルドハイブリッドとフルハイブリッド(デリカD:2には設定なし)がある。ソリオであれば、先代モデルもクルマとしての仕上がりは文句なく、中古車の選択も大いにアリだろう。
子どもが小さいならスーパーハイト系軽自動車も!
まだ子どもが小さいから、そこまでの大きさのクルマは不要……というなら、ボックス型で両側スライドドアを備えた軽自動車、そう、スーパーハイト系軽自動車がある。それも、アウトドアやキャンプシーンに似合いすぎるクロスオーバーモデルのスズキ「スペーシア ギア」、「デリカミニ」の登場で生産終了となった三菱「eKクロススペース」はどうだろう。
さすがに後席使用時のラゲッジスペースの奥行は最小限だが(スペーシア ギア310mm、eKクロススペース290mm)、後席を前方にスライドさせることで奥行は最大でスペーシア ギアが525mm、eKクロススペースに至っては660mmまで拡大する。
3名乗車ということで5:5分割の後席片側を倒しておけば、奥行方向に拡大したラゲッジスペースのフロア奥行はスペーシア ギアで1270mm、eKクロススペースも1070mm~になるから、キャンプの荷物の積載性もばっちりなはずである。
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とはいえ、1台のクルマを長く乗るのがわが家流、子どもの成長を見込んで、もう少し大きくて後席に余裕のある、アウトドアやキャンプに向くクルマを買っておきたい……のであれば、両側スライドドアを備えたコンパクトミニバンの2列シート版であるホンダ「フリード+」、トヨタ「シエンタ」の2列シートがお薦めである。