A91GRスープラ用はレースからのフィードバックでアップデート!
ちなみにスーパー耐久レースに採用されるN-SPEC RのGR86用フロントバンパーは中央上部にエンジン内へ空気を取り入れるダクトを設け、N-SPECの両サイドのダクトをなくし、最新の日産R35「GT-R」のように空気を後方へ積極的に流すデザインとなっている。
N-SPEC RのA91GRスープラ用は前後バンパー/フロントエアロフェンダー/サイドステップ/GTウイング(Z-Power WING)/アンダーパネルの6点の構成。2022年のスーパー耐久レースを戦ったトレーシースポーツから、「ダウンフォースが少し足りない」とフィードバックがあったことで、フロントバンパー形状を見直したアップデート仕様だ。
基本デザインは変更していないが、バンパーの上下方向を拡大し、路面とのクリアランスを詰めて対処。ちなみにフロントバンパーに取り付け強度確保のためのワイヤーブラケットを装着しているのが、N-SPECとN-SPEC Rの識別点でもある。
タイヤハウスの乱流を抜くフロントフェンダーのダクトも美しく造形され、フロント側面からデザインの連動性を感じるサイドステップは張り出し量も大きく、ボディサイドだけでなく、下面もしっかり整流。リアは左右の整流板で側面の空気の流れを整え、センターをディフューザー形状とすることで、下面の空気を後方へスムースに排出する。ダウンフォース効果も得るなど、性能とビジュアルをともに引き上げている。
風洞実験も行い実際に効果があるのか実証済み
また、これらの性能についてはレース、タイムアタックでの実戦から得たノウハウを生かし、風洞実験を通して効果は実証済み。本当に効果のある機能商品なのがingsエアロパーツの売りであり、真骨頂なのだ。
「ただ、最近の純正バンパーは迫力のあるデザインが多く、それに負けないようにデザインするのもエアロメーカーとしては大事なポイント。性能とビジュアルの両立はなかなか難しいですね」とingsスタッフは笑う。
GR86は今後タイムアタックマシンに仕上げてシェイクダウンする予定。その後、全国のサーキットでタイムアタックを繰り返し、狙い通りの性能が出ているか検証していくとのこと。こうしたトライ&エラーを惜しまずに行うことでしか、本物は生まれない。機能美を追い求め続けるingsの次なる一手に期待したい!