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1億円で落札! レクサス「LFA」に新車価格の3倍弱のプレ値がついた! 至高のV10エンジンにはその価値あり

1億円で落札! レクサス「LFA」に新車価格の3倍弱のプレ値がついた! 至高のV10エンジンにはその価値あり

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TEXT: 塩見 誠(SHIOMI Makoto)  PHOTO: 2022 Courtesy of RM Sotheby's

最高のクルマを作るというトヨタの矜持

ざっと見てきただけでも、深いコダワリをもってつくられているのが、LFAというクルマだということがわかる。新車価格は3750万円と、日本の量産車としては当時の最高価格だったが、それでも採算は取れないと言われていた。もちろん、大量生産ができるのであればコストの回収ができるのだろうが、LFAは素材や構造などへのコダワリから、1日に1台をつくるのが精いっぱい。

実際500台すべてが納車されるまでに、約25カ月という期間がかかっている。ではなぜ、つくり続けたところで儲かるわけはないLFAを世に送り出したのか。

そこにはトヨタの、最高のものをつくるという意志があった。それまで、飛び抜けてよくはないかわりに我慢できないほど悪いところはない、という平均点ちょっと超えというクルマをつくり販売台数を増やしてきたトヨタは、それがゆえにトヨタじゃなきゃいやだ、というファンを増やすことはできていなかった。

もちろん、KP/EPスターレットやAE86レビン/トレノ、セリカ、スープラ、MR2など、「これは」と思わせるクルマはあった。しかしそれらも、当時のライバル車と比べたとき、どこかに突き詰めきっていないという部分が見え隠れしていたところがある。

そんなイメージを覆すために、レクサスブランドの頂点としてつくられたのが、LFAだったのだ。このクルマをつくったことによって得られた知見は、いまもレクサス、そしてトヨタの開発に活かされている。LFAというモデルに乗るということは、そうした開発者の想いを感じるということでもあるのだ。

左ハンドル仕様のLFAの落札価格は?

2023年2月1日、パリで開催されたRMサザビーズオークションに出品されたLFAは、ヨーロッパで長い歴史を持つ、The Degenève Collectionに新車から収蔵されていた個体だ。シャシーナンバーは000118。2013年に納車されたもので、2019年までの走行距離は5870km、現在でも9059kmしか走行していない。

ボディカラーはパールホワイト。ヨーロッパで納車されたLFAは40台といわれているが、その中でパールホワイトは7台だったそうで、これはその中の1台ということになる。コレクションされていたクルマということもあって、状態は完調で付属品はすべて揃っている。日本風にいうなら、ワンオーナー車という希少性もある。

そんなLFAのハンマープライスは74万7500ユーロ(邦貨換算約1億500万円)という驚異的なものとなった。新車価格の3750万円からいうと3倍弱のプライスである。しかし今となってはLFAなら──そしてこの状態の良さなら、1億円近い価値があってしかるべきものなのだろう。

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  • 塩見 誠(SHIOMI Makoto)
  • 塩見 誠(SHIOMI Makoto)
  • 1965年生まれ。学生時代からオートバイとクルマに熱中し、自動車雑誌編集ののちフリーランスライターに。これまでAE86トレノ、CC72Vアルトワークス、E38AギャランVR-4RS、1980年式シロッコ、CD9Aランサー・エボリューション、プジョー306スタイルなど、クルマを乗り継ぐ。オートバイはCB250RS、RZ250、ZZ-R1100、T-MAXなどつねに複数台所有。現在の愛車はフタ桁ナンバーのアルファ ロメオ156V6とサーキット遊び用のNCP91ヴィッツRS・TRDターボM、JA45クロスカブ。
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