長距離を走っても疲れにくいGTカー
クルマのカテゴリーのひとつである「GTカー」は、美しいスタイル、優れた居住性、トルクに余裕があるエンジン特性、贅沢なドライブ体験をもたらす豪華さや静粛性などを併せ持っているスポーツモデルのことだ。去る2022年11月24日~27日に「クラシックジャパンラリー2022 門司」にも多様なGTカーが参戦したが、筆者の独断でジャガー Eタイプとメルセデス・ベンツ 190SLに注目してみた。
GTとは「長距離をスピーディかつ快適に走破できるクルマ」を指す
「GT」とは英語ではグランドツーリング、イタリア語ではグランツーリスモを意味しており、GTカーの定義を要約すると“長距離をスピーディかつ快適に走破できるクルマ”といったニュアンスとなる。
日本ではスポーツカーのハイパフォーマンスモデルや、レーシングカーに与えられる称号としてGTが長きにわたって使用されてきた。一方で、海外ではロングツーリングをラクラク愉しめる高い動力性能やハンドリングのよさを誇りつつ、乗り心地のよさといったラグジュアリー性も有しているクルマという位置づけで発展した。
高速コーナーでの安定性といった高いスタビリティや、クルマ旅に必要不可欠な要素となる広いラゲッジスペースが確保されていることもGTカーにおいては重要なポイントとなる。
ボディ形状に関しては、ここ最近明確な決まりがなくなってきているといえ、ある程度のボディサイズの2ドア/4ドアモデルやステーションワゴンのほか、一部のクロスオーバーSUVやオープンモデルもGTカーに含めることができるだろう。スーパーカーブームを経験した世代にとってはスタイリッシュな2ドア/2シーターモデルこそがGTカーといった印象だが、いまは拡大解釈されているのだ。
ちなみに、スポーツカーとGTカーの違いは、前者が速く走ることや運転する愉しさの追求を優先し、居住性や積載性などを犠牲にしているのに対し、後者は速さやドライビングプレジャーを追い求めながらも、快適性、居住性、実用性、静粛性、豪華さ、長距離移動時の疲労の少なさなどをしっかり備えている点だといえるだろう。