先代同様にカングーはアウトドア派にうってつけの1台だった
ルノー カングーはこれまでもアウトドア派ユーザーから絶大なる支持を得てきた「遊びの空間」カーとして知られている。ルノー・ジャポンが主催するカングーの一大アウトドアイベント、カングー・ジャンボリーの来場者のアウトドア達人度を見れば、一目瞭然だろう。はたして新型モデルもアウトドア向きなのだろうか? 検証をしてみよう。
ラゲッジスペースを優先したパッケージ
カングーはもともと本国ではLCV=商用車──働くクルマとして使われているクルマである。その乗用車版である日本仕様のカングーもまた、大容量のラゲッジルーム、観音開きのダブルバックドア、両側スライドドアなどによるユーティリティカーとしての使い勝手の良さから、アウトドア派にうってつけの1台となっているのだ。
では、およそ14年ぶりにフルモデルチェンジされた新型ルノー カングーのアウトドア適性度はさらに上がったのだろうか。答えは間違いなくイ・エ・スである。
そもそも、新型カングーは「クラストップの積載容量」を目指して開発されている。実際、商用車ベースゆえの四角四面で出っ張りのない使いやすいラゲッジルームは、後席使用時の容量で先代より115L増えた775L、後席格納時では先代より132L増しの2800Lを実現。
寸法としては後席使用時の奥行きが先代比+100mmの1020mm、後席格納時で先代比+80mmの1880mmとなっている(以上、メーカーデータ)。つまり、新型は後席より「クラストップの積載容量」を目指すため、キャビンに対してラゲッジスペース優先パッケージとなっているのだ(そのぶん、後席膝周り空間はやや減少)。
荷物の積載性は文句なしにいいと断言できる
アウトドア、キャンプでは重く大きな荷物をラゲッジルームに積み込むことになるのだが、新型ルノー カングーは荷物の出し入れ性も優秀だ。ラゲッジフロアの開口部フロア地上高はメーカーデータでは594mmと紹介されているが、筆者が実測したところ約570mmと、先代の同実測の545mmよりやや高まっているものの、世界のステーションワゴンの同平均値620mmよりずっと低く、開口部が幅1111mm、高さ1120mmと大開口なこともあって、荷物の積載性は文句なしにいいと断言できる。
しかも、後席格納時のフロアは、やや角度はつくものの、段差のないフラットフロアとなっていて、車中泊にもうってつけ。後席背もたれ部分にややある角度も、むしろ就寝時の逆流性食道炎対策にちょうどいいと見てもいいはずだ。