親子3人でまったりすることができるスペースが魅力的
具体的には、後席格納時のベッド&お座敷スペースは奥行き1880mm、幅1190mm、天井高1111mmと、アウトドアでのリビングスペースとして、就寝時のほぼセミダブルサイズ(1200mm)のベッドスペースとして大人2人でも十分なスペースが確保されている。
また、両側スライドドアと左右シートバックテーブルを備えている点も、アウトドアにぴったりだ。眺めのいい場所にカングーを止め、両側スライドドアを解放し、後席にシートバックテーブルを出して座れば、風通しもいいテラス席のようになる。5人乗りで後席は3座独立シートだから、両親と子どもの3人でまったりすることもできるのだ。これはリアヒンジ式ドアのSUVではできないカングーのアウトドア適性度、メリットとなる。
その上でルーフキャリア、ルーフボックスはもちろん、カーサイドエアフレームタープ、チェア、テーブルなどのアウトドア向け純正アクセサリーも用意されているから、鬼に金棒である。
アウトドアで使って賛否が分かれるところも……
ただ、実際にアウトドアで使って賛否がありそうなのが、車体後方にスペースのない場所でもバックドアが開けやすいダブルバックドア。SUVやミニバンでも一般的な上下に開くバックドアだと、跳ね上げたバックドアが大きなひさしになり、雨の日にラゲッジルーム後端に座ったときや、車体後方に荷物を置いたときの雨しのぎになり濡れずに済むのだが、観音開きのダブルバックドアではそれができないことである。
また、先代では前席と後席の頭上にあったオーバーヘッドコンソールは後席部分が廃止されている。車内のちょっとした荷物の収納力減少にはなるものの、アウトドアで車内をリビングルーム&ベッドスペースとして活用する際は、後席頭上部分の出っ張りがなくなり、すっきりしたとも言えるので、ここはメリットとデメリットの両方があることになる。欲を言えば、ボディカラーにアウトドアにより似合うアースカラー系の色があるとなお嬉しい……なんて思ったりする。
ちなみにアウトドア派が選ぶべき新型カングーは、迷うことなく、日本仕様専用となるブラックバンパー×ダブルバックドアのクレアティフと呼ばれるグレードだろう(価格はボディ同色バンパー&アウタードアハンドルと同額)。ブラックサイドプロテクションモールも付いて、クロスオーバーテイストもムンムンだからである。