見た目とは裏腹に大容量ラゲッジを持つクルマ
大きな荷物を積むなら3ナンバーの中大型車に限る……という認識は間違っている。5ナンバーサイズでも、アウトドアなどの荷物をしっかりと余裕で積み込めるクルマはある。今回は、中古車で予算150万円以下で買える「5ナンバーなのにめちゃめちゃ荷物が積める有能コンパクトカー」を紹介したい。
ホンダ シャトル
筆頭は、今はなきホンダの5ナンバーワゴン、ホンダ「シャトル」だ(以前は「フィットシャトル」と呼ばれていた)。2015年から2代目として発売されていた「フィット」のワゴン版で、ホンダ独創のセンタータンクレイアウトの採用もあり、5ナンバーサイズのワゴンとして文句なしの荷物の積載性、車中泊対応を含めたシートアレンジ性を誇っていたモデルだ。
ラゲッジルームは開口部地上高が540mmと素晴らしく低く(世界のステーションワゴンの平均値は約620mm)、後席使用時のフロア奥行き955mm、フロア幅970~1500mm、天井高835mm~という余裕のスペースを持っていた。
しかも、後席を低くフラットに倒すと、最大奥行きは1840mmにも達し、大人が真っすぐに寝られるほどのフラットスペースが出現。実際、筆者は友人の小さな引っ越しをこのシャトルで行ったことがある。ハイブリッドモデルもあり、今、手に入れても、十分に使い続けられる1台だ。
トヨタ カローラフィールダー
また、ホンダ シャトルのライバルとしてトヨタ「カローラフィールダー」もあった。ラゲッジルームは開口部地上高580mm(ローダウングレードは570mm)、後席使用時のフロア奥行き970mm、フロア幅1505mm、天井高795mm、後席格納時の奥行き2025mm。さらに床下には深さ60mmの2カ所の収納スペースがあり、5ナンバーサイズにしてじつに広く便利に使えるラゲッジルームを備えていた。
トヨタ シエンタFUNBASE
新型が絶好調に売れているトヨタ「シエンタ」の先代モデルの途中から加わった2列シートの「FUNBASE」も、5ナンバーサイズにして大容量のラゲッジスペースを備えていた1台。開口部地上高は530mmと極めて低く重い荷物の出し入れも楽々。
後席使用時のフロア奥行き935mm、フロア幅1060mm、天井高930~1100mm(ボード位置による)、後席背もたれを倒すだけの後席格納時のフロア奥行き1620mmと、大容量ハイトワゴンと呼んでいい超ユーティリティカーだったのである。
新型は納車待ちの時間が長いが、中古車なら現車があればすぐに乗れるメリットがある。FUNBASEの登場をきっかけにシエンタ本体の派手過ぎたボディはやや大人しくなり、アウトドア向けのアースカラーで決めた特別仕様車「GLAMPER」もあった。
もっとも、FUNBASEは先代シリーズ途中の2018年から加わったモデルゆえ、中古車を見つけるのは難しいかもしれない。だがじつは中古車を探しやすい3列シート車でも、3列目席を2列目席の下に潜り込ませる格納方式だから、3列目席を格納すればFUNBASE同等の拡大ラゲッジスペースが出現する。
スズキ ソリオ
スズキ ソリオの先代モデルも、5ナンバー×両側スライドドアの荷物満載OKのコンパクトカーだった。先代モデルでも開口部地上高660mm、後席使用時のフロア奥行きは440mmと最小限だが、5:5分割の後席を片側、または両側倒せばフロアの奥行きは1120mm(前席背後までなら1530mm)もあり、フロア幅1030mm、天井高1020mmは最新のソリオとほぼ同じ。
後席を格納した時に、拡大したフロアがほぼフラットなのは、先代、新型ともに同じ。しかも床下に深さ310mm、幅590mm、奥行き550mmもの収納があるのだから、収納力、使いやすさ抜群なのである。
三菱デリカD:3
もっと本格的に使える、大容量のクルマが望ましい……というなら、日産「NV200」のOEM車だった三菱「デリカD:3」がある。デリカの名前から想像できる「D:5」のようなワイルドさ、走破性はまったく持ち合わせていないのだが、商用車ベースのミニバンだけに、ラゲッジスペースは大容量。
シートアレンジによってラゲッジスペースは最大奥行き1900mm、幅1500mmと広大だ。2011年に発売され2019年に販売が終了しているため、手に入れられるのは日産NV200と違い、中古車のみである。