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キャンプ生活3カ月目突入! シンプルな「ドライ&フリーキャンプ」でエコスタイルが定着、大自然のなかの読書を満喫──米国放浪バンライフ:Vol.25

キャンプ生活3カ月目突入! シンプルな「ドライ&フリーキャンプ」でエコスタイルが定着、大自然のなかの読書を満喫──米国放浪バンライフ:Vol.25

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TEXT: 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)  PHOTO: 牧野森太郎

西海岸を縦断するルート101、終点はオリンピア

カリフォルニアのカルチャーが好きな人なら、海沿いを走る国道「101(ワン・オー・ワン)」に特別な思いを抱いている人も多いだろう。しかし、101が最終的に北の端がどうなっているか、知っている人は少ないはずだ。

カリフォルニアからオレゴンに入った101は、海岸線を一気に北上、ワシントン州に入る。そして、小さな入江の町を舐めるように、さらに北に向かうと、オリンピック半島をぐるりと時計回りに4分の3周してワシントン州第2の都市、オリンピアで終点となる。振り返ってみれば、今回のぼくのルートの多くは101と一緒だった。

キャンピングカー旅に慣れると水もあまり使わなくなった

この頃になると、ぼくの放浪キャンプもだいぶスタイルが確立してきた。簡単にいえば、フリーキャンプ、ドライキャンプだ。それを可能にしたのが、シガーソケットからDC12Vを取るインバーターだ。これでPCとカメラの電池の充電を心配しなくてよくなった。

こうなると水もあまり使わなくなる。以前は、食器を洗うのにも水をたっぷり使っていたが、紙で拭いてさっと洗うくらいで済ませると、水のフックアップも2週間に1度でよくなった。シンプルでエコなキャンピングスタイルは、なかなか気持ちがいい。

オレゴン州に南下してポートランドでショッピング

セクイムベイを出てからは、I-5(州間高速道路5号線)のレストエリア泊で一気にオレゴン州に戻ってきた。ポートランドで妻の誕生日プレゼントを買うことを思いつき、柄にもなくインターネットで宝飾店を検索して高級ブランド店が並ぶサードストリートに乗り入れた。

なんとか苦手な買い物を済ませて、次に向かったのがチャイナタウン。ダウンタウンは以前に歩いたことがあるので、異なる活気を味わってみたかったのだ。

ところが、これが完全に裏目に出た。まるでスラムである。ホームレスばかりで、活気どころではない。路上には家代わりのテントがずらりと並ぶ。たまにはチャイニーズを食べたいと思っていたが、営業している店などない。結局、ダウンタウンのフードトラックのカルアポークでお茶を濁すのが精一杯だった。

* * *

ポートランドはとくにひどかったが、今回、訪ねたアメリカの町でホームレスの姿を見ないことはなかった。世界を代表する経済大国で、この現状を見るのは悲しい。コロナだ、ウクライナだ、分断だといろいろな言い訳があるのかもしれないが、これは人類が正しいと信じて邁進してきた資本主義の結末ではないのだろうか。

町にホームレスがいるように、海には信じられない量のプラスチックが漂っている。地球の気温は上昇し続け、ゴミは増え続ける。こんな世界に、いったい誰がしたのだろう。

■「米国放浪バンライフ」連載記事一覧はこちら

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  • 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)
  • 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)
  • アウトドア誌、ライフスタイル誌などの編集長を経験。2001年にアメリカでキャンピングカーを購入して以来、国立公園を訪ねることをライフワークとする。著書に『アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅』『自分自身を生きるには 森の聖人ソローとミューアの言葉』(ともに産業編集センター)がある。カリフォルニア州シェラネバダ山脈のジョン・ミューア・トレイルを計30日かけて踏破したレポートがデルタ航空機内誌「sky」に掲載され、カリフォルニア観光局のメディア・アンバサダー最優秀賞を受賞。
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