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「ビートル」に乗り続けて45年! ワーゲン愛にあふれる夫婦の「シングルナンバー」は絶賛オリジナル化計画進行中です

「千葉5」ナンバーを維持する1969年式フォルクスワーゲン・タイプ1

1969年にヤナセが販売した当時の姿を再現

京都の嵐山高雄パークウェイで毎年秋に開催されている「VW Autumn」は、西日本最大級のクラシック・フォルクスワーゲンのミーティング。地元のVWクラブ「ウォルフスブルグ・キッズ」による手づくりのイベントながら、全国から個性的なワーゲンが集まっています。今回紹介するのは、貴重な「千葉5」ナンバー以外はパッと見で「ごくフツー」の1969年式ビートル。じつは、当時のオリジナル仕様を再現するために多大なエネルギーを費やしているのです。

19歳からワーゲン一筋、現在は3台を所有

千葉県の香取光俊さんは現在64歳。19歳のときに1974年式VWタイプ1スタンダードを購入してから、45年ずっとクラシックVWに乗り続けてきたそうです。

「高校生のとき友達のところへ行ったら、その兄貴が白いビートルに乗ってて、カッコいいなと思ったのがワーゲンとの出会いです。18歳のとき最初のクルマはハコスカのGT-Xをたしか13万で買いましたが、間もなく1974年式タイプ1を買いました。その後、67年式タイプ2アーリーバスなどを経て、いま持っているのは54年式タイプ1オーバルウインドウと、74年式タイプ2レイトバス、それにこの69年式タイプ1の、合計3台です。カミさんもビートルが好きで10数年も通勤に使ってましたし、その間に子どもも3人育てました。いまも夫婦でワーゲンに乗って全国を回ってます」

希少な「千葉5」ナンバーのビートルを継承

「千葉5」ナンバーを掲げた1969年式ビートルが売りに出ているのを知ったのは3年ほど前のことだったそう。千葉県のナンバープレートが「千」から「千葉」になったのは1968年4月からで、並行して1967年9月から日本各地で分類番号が2桁表記できるように。2桁への移行は各地で順次、行われていきました。なので「千5」は期間は長いものの、「千葉5」は1年か1年半ほどしか交付されておらず、とても珍しいのだとか。

「前のオーナーさんはシングルナンバー車のコレクターで、自分で交渉してVWショップに間に入ってもらって購入しました。それまでに何人かオーナーを挟んでいたのですが、最初の持ち主は歯医者の奥さんだったようで、ヤナセや千葉のVWショップでメンテナンスを受けた記録が残っていました。その奥さんがあちこちにブツけたようで、フェンダー、ドア、三角窓、バンパー、ドアミラーなどが交換してあり、ボディも黄色に塗り替えてありました」

高年式ビートルの資料を調べて当時の姿をこつこつ再現

香取さんは現在、長い歴史のなかで変化を遂げてきた1969年式ビートルを少しずつ、オリジナル仕様に戻そうとしていますが、資料が少なくて苦労していると言います。

「50年代の低年式のクルマは大事にされるけど、高年式モデルのことってあまり語られてないじゃないですか。なのでいま、当時はどんなパーツが付いていたのかを調べているんです」

この日もイベント会場のスワップミートで、ドアミラーを800円でゲットしてご機嫌でした。

「ヤナセで作ったものと思われますが、当時はドイツと日本でメッキの品質も違ったりして、そういうのも調べていくと面白いですね。ボディは友だちが2022年3月からこつこつ塗り直してくれて、7月に仕上がったばかりです。フェンダーはすべて純正のものが付いていたのですがベコベコだったため、今回の塗装にあわせて直しました。三角窓も年式相応に変えたし、ほぼ完成。残る課題はドアの建てつけくらいですね」

そう語る香取さんは、この日の京都のイベントにももちろん、千葉から奥さんと一緒に自走で参加。仲むつまじくワーゲンライフを楽しんでいるようでした。

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