993はいま買いの1台
去る2023年3月4日、アメリアアイランドで開催されたRMサザビーズのオークションに出品されていたのは、そんな993型911の1995年式のものだった。ニュージャージー州メイプルウッドの「エセックス・スポーツカー」から新車で販売された911カレラは、グレーと黒のレザーインテリアにクラシックな色合いのグランプリホワイトで仕上げられている。
LSD、シートヒーター、パワーシート、運転席ランバーサポート、リアウインドウワイパー、電動サンルーフ、フロントとリアのしなやかなレザーは、このポルシェに装備されるオプションとして、新車時の注文書に記されている。
オリジナルコンディションを保った1台
この911は、その生涯をニュージャージー州で過ごし、“改造”された形跡はなくオリジナルのコンディションが保たれている。2004年に発行された請求書によると、この車両はリコールの結果、新しいワイヤーハーネスを受け取り、ポルシェの正規ディーラー「ポール・ミラー」が作業を実施。
また、直近では2022年10月にニューヨーク州エルムズフォードの「Rennwerke LTD」にて、燃料ポンプ、燃料フィルター、バッテリーの交換と燃料噴射装置のクリーニングが施された。つまりは、ちゃんとメンテナンスが施されてきた個体であることがうかがえる。
なお、当該911カレラには、新車時からのツールキットやタイヤ空気入れポンプ、メンテナンスブックレット(整備記録簿)を含むオーナーズブックが付属している。走行距離は4万7120マイル(約7万5832km)と28年選手としては少なめで、最終空冷911かつ6速MT搭載モデルとあって……、10万3600ドル(邦貨換算約1400万円)で落札された。
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一時期、出品されるたびにグングン値上がりする様子だった993型で“バブル”を感じさせたが、最近の落札相場は「高値安定」で落ち着いている。“昔は〇〇〇万円で買えたのに”と思う反面……、現在の安定相場なら購入しても下取り価格を期待できるので、選択肢としてアリなのかもしれない。