充電インフラ事業で利益を出せる?
7つの展示会で構成される「第19回 スマートエネルギーWeek【春】」が2023年3月15日(水)~17日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催された。二次電池(バッテリー)やスマートグリッドなどに関する業界向けの展示会で多数の来場者を数えることとなった。
これまでEV充電器は多額の工事費がかかっていた
今回気になったのが、充電器を設置するインフラ提供の提案をするというビジネス。この手の展示会といえば、家庭用に蓄電池の設置提案はあっても、自家用のものではないEV充電器の設置という呼びかけはなかったように記憶している。
これまでEV充電器といえば、多額の工事費がかかるものの、集客のためのもので利益は取れず、というイメージだった。公共性の高い施設などに設置されることが多く、実際に充電スタンドができても、その後のメンテナンスもないままに撤去されたり、ということもあった。
しかし、それでも着実にEVの販売台数は数を伸ばしており、2022年には、EVおよびPHEVの新車販売は9万5000台を超えるまでに成長した。それに合わせてEV用充電器も設置が急がれるわけだが、今回のスマートエネルギーWeekでは、これを無料で設置する提案が続々と登場したのだ。
事前登録なしで利用できるのが嬉しい!
ENECHANGEが展開している「EV充電エネチェンジ」では6kW倍速充電器「チャージ2」の展示とともに、0円でEV充電器を導入できるキャンペーンを紹介。宿泊施設、商業施設、コインパーキングなどを中心に、充電設備の導入や運用の手間を省きながらコストを最小限にして設置するオールインワンサービスとなる。「EV充電エネチェンジ」は倍速タイプの普通充電のみの展開となり、スマホアプリを使用して充電し、事前の登録も専用カードも不要。月額費用なし、利用料金だけで充電器が使用できる。
また、テンフィールズファクトリーは、0円で太陽光発電が導入できる「PPA太陽光発電」と、最大出力180kWという国内最大出力能力を持つEV急速充電器「FLASH」を0円で設置できるプランを紹介していた。事前登録なしで、直接クレジットカードで決済ができるのも魅力だ。
いずれも設置費用の負担をするというもので、利用者の利用料金で利益を得るというビジネスモデルとなる。利用料金についてはこれまで施設利用料という名目で分課金制を取っており、バッテリー残量や充電環境で利用料に対しての内容がそれぞれ異なっていることがあった。
さらに決済システム管理も通すことで設置側としては利益はなかなか追求できなかったとしており、従量課金制もしくはそのみなし課金とすることで、利用者も施設オーナーも納得できるものになるという。
EVユーザーにとってはより使いやすく、そしてあちらこちらで充電器の設置が進むことを期待していきたい。