当時は5シリーズも5ナンバーサイズだった
5シリーズは初代(E12)と2代目(E28)の切り換えがBMWジャパン設立と時期的に重なり、BMWジャパンによる本格導入はたしかE28からだった。手元にあるのも本カタログはBMWジャパンのE28のもので、E12はバルコム時代の3つ折りの簡易カタログのみとなっている。初代3シリーズがそうだったように、この5シリーズも全幅が日本の5ナンバーサイズに収まっていたのは今では驚き。だが、初代、2代目ともウエストラインの低いクリーンなスタイリングは、今見ても非常に美しい。エンジンには1.8Lの4気筒のほか、エンジン回転を抑え燃費を高めたイータエンジン(6気筒・2693cc)、524tdに搭載の6気筒・2443ccターボディーゼル、M535iに搭載の6気筒・3430ccなどがあった。
◎BMW LIFE (af imp LIFEシリーズ) (CARTOP MOOK)
堂々たるフラッグシップの7シリーズ
7シリーズは、初代のE23がカタログモデルとして用意された。言うまでもなく5シリーズの上を行くBMWのフラッグシップとして設定された4ドアサルーンで、今風の言い方で言えば、市場ではメルセデス・ベンツSクラスとガチで戦うためのモデルでもあった。カタログ写真は1985年の、最後期型の日本仕様のものだが、搭載エンジンは6気筒の3430ccで、このNA版(185ps/29.5kgm)を735iに、ターボ付き(252ps/38.7kgm)を745iにそれぞれ搭載している。
美しすぎるクーペだった6シリーズ
そしてもう1台、今でも息をのむほどのそのエレガントなクーペスタイルに惚れ惚れさせられるのがE24・6シリーズだ。筆者の手元にあるのは1982年と1985年のカタログだが、1982年型はこのクルマの登場時にファンであれば憧れを抱いたオリジナルの姿をまとった633CSiで、スペック表には、搭載エンジンは3210cccの6気筒、3.32 M J1と記載されている。ちなみに1981年にトヨタから初代「ソアラ」が登場しているが、当時、この6シリーズやメルセデス・ベンツ「SLC」の領域を目指して開発されたのが初代ソアラだったことは有名な話だった。
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現在はSUVの「Xシリーズ」なども増え、おびただしいラインアップを擁する今のBMWの戦略は、それはそれで時代の要請に応えたものではある。だが、この時代の3、5、6、7シリーズがショールームに向きを揃えて並べられていた頃のBMWは(あるいは「も」)よかったなぁと、時折思い出したりする。