新型になって“さらに”ドッグフレンドリーな1台へ
いまさら言うまでもないが、これまで、ルノー カングーは世界中の愛犬家にはもちろん、ペット関係の仕事に従事する、たとえばブリーダー、ドッグトレーナー、ペットサロン、動物プロダクションの人たちにも愛用されてきた、とっておきのドッグフレンドリーカーの1台だった。
観音開きのダブルバックドアがポイント
先代カングーは、インターペットという国内最大級のペットイベントに、愛犬家仕様のスペシャルバージョンが展示され、愛犬家と愛犬に大注目を浴び、限定車として販売されていたこともある。
その理由を、実際にカングーを愛用する愛犬家やプロに聞いてみると、犬を乗せやすい大容量のラゲッジルームを備えているのは当然として、まずは観音開きのダブルバックドアがポイントだという。つまり、ラゲッジルームに乗せざるを得ない大型犬、多頭を下ろす際、一般的な上下開きのバックドアだと、一気にガバッと開いてしまうため、犬の飛び出しの心配がある。一人では開いた左右全体の空間をブロックできないのである。
しかし、観音開きのダブルバックドアであれば、左側の横開きドアをそーっと開けることで、一人でもブロックが可能。犬の飛び出しを予防することができ、安全に犬を降車(乗車時も)させられるのだ。
ラゲッジフロアの低さは、荷物の出し入れはもちろん、犬が自身で乗降する場合にもメリットがある。先代カングーのラゲッジフロア開口部地上高はごく低い545mmで、開口部に段差なし。犬の乗降時に足をひっかけることなく、無理なく乗車・降車ができた。
一方、新型のラゲッジフロア開口部地上高は、メーカー値では594mmと説明されているが、新車を実測すると約570mm(段差なし)。先代より25mmほど高まってはいるものの、世界のステーションワゴンの平均値となる同620mmよりはずっと低く、先代のラゲッジルームに自分で乗り降りできた犬なら、おそらく新型も無理なく乗り降りできるに違いない。