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『西部警察』の劇中車「SUPER-Z」はガルウイング!? 大門団長が駆った「フェアレディZ」こだわりのディテールを紹介します!

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了

ボンドカーもびっくりのさまざまな特殊装備

クルマにさまざまな特殊装備を組み込む、といえば思い起こされるのが映画『007』シリーズに登場したボンドカー。第3作となった『007/ゴールドフィンガー(原題: Goldfinger)』アストンマーティンDB5をベースにした初代ボンドカーが誕生して以来、さまざまなボンドカーが登場してきました。そんなボンドカーにも搭載されていたような特殊装備が、この「SUPER-Z」にも装着されています。

まずはボンネット上、ウインドディフレクターの直前に備えられた左右一対の催涙弾発射装置が目につきます。左右の催涙弾発射装置の発射角度は左右に60度、上方に40度、下方に15度の可動域を持っていて、それを運転席からリモートコントロールできるようになっていました。

西部警察に登場したSUPER-Z

助手席側の催涙弾発射装置をボンネット裏のモーターで作動させ、運転席側の催涙弾発射装置は助手席側のそれとリンケージで繋げられています。またリアバンパー下には5本のテールパイプが顔を見せていますが、本物のエキゾーストパイプは中央の1本のみで、両サイドの2対4本は煙幕発射装置なっていました。

また運転席周りには催涙弾発射装置や煙幕発射装置のスイッチが装備され、助手席前には警察無線に加えて船舶や航空機、アマチュアの避難自動通報など各種無線が備わっています。ステアリングやメーター類、ATのセレクターレバー、そしてシートなどはベースモデルと同様のものが装着され、意外にも乗用車ライクなインテリアなのです。

公称の最高出力と最高速度はベースモデルと同じだった

最後になりましたが、パフォーマンスやメカニズムについても紹介しておきましょう。搭載されたエンジンは2.8L 直6のL28Eで、2753cc(ボア×ストローク=86.0mmφ×79.0mm)の排気量から155psの最高出力を絞り出していました。

ストーリー的にはエンジンもチューンナップされていることになっていたようですが、公称の最高出力はベースモデル(フェアレディ280Z型後期仕様)と同じでした。さまざまな特殊装備を組み込んだことで車両重量は1645kgまで膨れ上がってしまいましたが、それでも最高速度は推定180km/hと公表されていました。

警官が街中でショットガンを発砲するなど、リアリティでは疑問符の残る設定でしたが、それを差し引いても高い人気を誇った『西部警察』。なかでも根強い人気を誇っているのが「SUPER-Z」をはじめとする特殊車両です。2022年末に行われた「NISMO FESTIVAL in FUJI SPEEDWAY 2022」でもピットに展示されていた「SUPER-Z」には多くのファンが集まり、あらためて人気の高さを感じさせられました。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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