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懐かしの90年代「VIP」に仕上げた日産「Y31グロリア」は高校生の頃に一目惚れしたスタイルでした

フロントバンパーのナンバーベースはインフィニティQ45前期用ナンバーベースを移植、さらに左右マウントのフォグランプはY32後期用のウインカー一体型のフォグランプをセット

高校生の頃に憧れたVIPカー

今から振り返ること23年前、VIPカーが一番盛り上がった時代に大人気となった「Y31シリーズ」は誰もが憧れを抱く存在のクルマだった。今回紹介する“マゼラン”さんは、その頃はまだ高校生だったが、当時のカー雑誌を夢中になって読み、そこに掲載されたエアロパーツを装着させたY31「グロリア」のカッコ良さにひと目惚れ。いつかはY31を手に入れ理想のVIP仕様を作りたいと思い続け、遂に夢を現実させた人物であった。

なつかしの90年代VIPスタイルに仕上げる

クルマの入手は今から5年前、現在41歳となり、自分が思い描く理想のVIPカーがようやく完成しましたと話す“マゼラン”さん。ひと言でズバリこのY31グロリアの仕様は? という質問に「90年代後半の夢と希望に満ち溢れたミレニアムスタイルです」と答えてくれた。

VIPカーが世の中に浸透し、ジャンクションプロデュース、ワイズ、インシュランス、エボリューション、アドミレイション、ヴァルドといったエアロブランドが続々登場した1990年後半から2000年代は、まさにVIPセダンの絶頂期。当時のとっぽい人達はVIPカーに乗ることが常識、逆に乗ってなければナメられるといったご時世だった。

エアロメーカーごとに違ったアプローチが楽しめる時代に突入していたが、当時のエアロキットはフルパッケージで提案されていたこともあり、フロント、サイド、リア、ウイングといったパーツは同じメーカーで統一するのが定番となっていた。

そこで、“マゼラン”さんは、当時の憧れを再現するために、Y31グロリアに装着させるエアロをセオリー通りフルキットで統一、選んだのはマゼランクリエイティブ製エアロパーツだった。

当時流行ったエアロパーツは現在とても貴重で入手が困難。なにせ廃盤になってから数十年が経過しているので、個人売買でもなかなか市場に出てこない。パーツの入手は大変だったが、“マゼラン”さんは仲間同士の繋がりと独自のネットワークを駆使し、なんとかフロントバンパー、リアバンパーを入手。

サイドステップは発見できなかったが、仮にあったとして当時物はドアパネルとセットで、これを付けるとオーバーフェンダーを装着しないとバランスが取れないので、サイドステップはあきらめ、現車合わせでクビレを強調するデザインのワンオフサイドステップを製作した。

さり気なくワンオフ加工して統一感を演出

フロントバンパーのナンバーベースはインフィニティQ45前期用ナンバーベースを移植、さらに左右マウントのフォグランプはY32後期用のウインカー一体型のフォグランプをセットして一部をスムージング処理している。

リアについてはマゼランクリエイティブのバンパーにインシュランス製の3ピースウイングとジャンクションプロデュースのルーフスポイラーの組み合わせ。マゼランクリエイティブの外装デザインを崩さない形で選んで装着させているのがポイントだ。

また、当時物として注目すべきはアルミホイールだ。今となってはほとんど見かけないケーニッヒのフルリバースホイール。当時のVIPはディッシュホイールが定番だったが、5本スポークモデルでは唯一、このケーニッヒが特別な存在感を発揮していた。

今では小さく見えるが、当時18インチというホイール設定は、みんなが憧れた大口径ホイールだった。

* * *

高校生の頃に雑誌を見て衝撃を受けたクルマを再現して作る。過去のパーツを探すのは大変だったが、そのぶん見つけた時の喜びはひとしおだったに違いない。

憧れのクルマをベースに夢だった仕様を手に入れた“マゼラン”さん。カスタムは完了ですかと聞くと、すでに次の目標があるとか。2000年以降のVIPスタイルを目指し、オーバーフェンダー、ダクト、リウイングのパテ埋め等、少しだけ時代を進めたVIPカーを作りたいとのことだった。

自分の中で過去のVIPカーの流行をなぞるようにカスタムを楽しんでいきたい。夢の先に再び見えてしまった夢、やはりカスタムには終わりがないことがよく伝わるエピソードだ。

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