LP400Sはコレクターの中でも非常に人気の高いモデル
その進化型の第一弾モデルとして誕生したのが、今回RMサザビーズ社のパリ・オークションに登場したLP400S。最初のLP400は、前後フェンダーもクリーンでスムーズな造形だが、このLP400Sになると前後ともにオーバーフェンダーが組み合わされ、スーパースポーツとしてのアグレッシブさが増しているのが分かる。
もちろんそれはただのオプティカルなチューニングではなく、その内側に収められるタイヤが、フロントで205/50VR15、リアで345/35VR15サイズのピレリ製P7に改められたことが直接の理由だ。
リアミッドに搭載されるV型12気筒エンジンもトルク特性が見直され、実用域でもより扱いやすいキャラクターへと変化している。パワースペックは353psと、LP400より若干低下したが、サスペンションのジオメトリーも変更され、より軽快にコーナリングを楽しめるスーパースポーツへと進化を遂げた。
実際に生産されたLP400Sは、RMサザビーズの調べによれば237台。このうちカンパニョーロ・ブラボーの「テレダイヤル」ホイールを装着した初期型のシリーズⅠは、コレクターの中でも非常に人気の高いモデルだ。
バレンチーノ・バルボーニ氏監修のもとフルレストアを行っている
出品車のシャシーナンバー1121028は、シリーズの14番目に生産され、1978年10月26日に完成。ビアンコ色の内装に、ブルーノッテ・メタリザートという印象的なカラーコンビネーションが施されている。ちなみにメーターパネルは、LP400から引き継がれたSW製メーターを装備しており、こちらも初期型のみの数少ない仕様となる。
この個体は2016年にオークションで落札された後、かのバレンチーノ・バルボーニ氏監修のもとで、モデナでフルレストアの作業をうけたという。そのフィニッシュにはやはりコレクターの目を大いに刺激する魅力があったのだろう。
最終的な入札価格は91万6250ユーロ(約1億2880万円)にも達することになった。一時は落ち着きを見せたかのようにも思えたカウンタックのオークション相場だが、まだまだその動きには注目しておかなければならないようだ。