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昭和懐かしの名車「トヨタ2000GT」は1億円が相場! 70年代スーパーカーブーム時代から「幻の名車」でした【スーパーカー列伝05】

昭和懐かしの名車「トヨタ2000GT」は1億円が相場! 70年代スーパーカーブーム時代から「幻の名車」でした【スーパーカー列伝05】

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: Courtesy of RM Sotheby's

スーパーカーブームの子どもより親世代が憧れていた

トヨタ2000GTの開発にはトヨタや子会社の関東自工に加え、既述したように2輪車の世界ですでに輝かしい実績のあったヤマハ発動機が深く関わっていた。ロータス「エラン」のそれを手本にしたともいわれるX型バックボーンフレームに、ヤマハがチューンした水冷直列6気筒DOHCの1988cc/150psエンジン(3M型)をフロントミドに搭載。最高速度は当時の日本車の中では最も速い220km/hで、0-100km/h加速は8.6秒とアナウンスされた。

当時としては世界トップクラスの動力性能を誇っていたが、過度に性能を追求せず、GTカーとして扱いやすい味つけとなっていたことから、スーパーカーブーム全盛時に道路を走っていてもランボルギーニ「カウンタックLP400」やフェラーリ「365GT4/BB」を見たときのように子どもたちが感動することはなく、どちらかというと親の世代がワクワクドキドキしていた印象だった。

1969年に最初で最後のマイナーチェンジを行い、1970年で生産を終了したトヨタ2000GTは、その後も稀少性と動力性能の高さから長きにわたって日本車の頂点に立つクルマとして君臨。数多くの自動車趣味人を魅了してきた。

スーパーカーブーム全盛時にはさほど注目されなかったかもしれないが、現在もその威光は衰えていない。よく出来たレプリカが製作されていることからも窺い知れるように、まだまだ熱心なファンを獲得しているのである。たしかに旧き佳き時代の純スポーツカーだが、その範疇だけに収まらず、いま接しても「おぉ~、幻の名車だ!」と感動できるのが2000GTの凄さだ。

今なお相場は1億円前後をキープしたまま

近年では1億円以上のプライスタグを掲げることが普通となっている2000GTだが、実際、2020年10月にアメリカのインディアナ州エルクハートで開催されたRMサザビーズ「THE ELKHART COLLECTION」オークションでは、純正カラーのソーラーレッドで美しくレストアされた左ハンドル仕様の1967年式が91万2500ドル(当時レートで邦貨換算約9600万円)で落札された。

直近では、2023年2月にフランスで開催されたRMサザビーズ「PARIS」オークションでも、ペガサスホワイトの1967年式が62万3750ユーロ(邦貨換算約8830万円)で落札されている。もともと、わずか337台しか生産されていないだけに売りに出るだけでもニュースになる2000GT。もし手に入れようと思えば、まだまだ1億円前後の軍資金が必要なのであった。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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