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【SUPER GT 2023開幕直前緊急企画】坂東正明代表に聞く、今シーズンの見どころとSUPER GTの未来とは?

【SUPER GT 2023開幕直前緊急企画】坂東正明代表に聞く、今シーズンの見どころとSUPER GTの未来とは?

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TEXT: Masahide Kamio  PHOTO: Masahide Kamio

坂東正明代表、スーパーGTの2023年シーズンを語る

2023年4月15日、16日に岡山国際サーキットで開幕する2023年のSUPER GT。今季は環境に配慮したカーボンニュートラルフューエルが導入され、タイヤの持ち込みセット数も削減されるなど、持続可能な未来のモータースポーツに向けた取り組みも本格化していく。

そんな2023年シーズンの見どころ、そして注目の今後などについて、SUPER GTをプロモートするGTアソシエイションの坂東正明代表に大いに語ってもらった。

大阪オートメッセでの盛り上がりが、幸先よいスタートとなりました

——本日はよろしくお願いします。2月に行なわれた大阪オートメッセ(OAM)2023では、SUPER GTと大阪オートメッセがタッグを組み「SUPER GT featuring OSAKA AUTO MESSE」を開催しましたが、まずはそのご感想からお聞かせください。

「コロナ禍明けという中で、モータースポーツ・自動車産業のイベントであれだけ多くのお客さんが来場してくれるということは、ひとつの良いバロメーターとして受け取ることができると思います。今年は良い方向に進んでいくだろうという印象を与えてくれる、そんなオートメッセだったと思います」

——今シーズンのSUPER GTにおける大きな変更点は、カーボンニュートラルフューエルの導入とタイヤ持ち込みセット数の削減だと思いますが、これらの規則変更についてはいかがでしょうか。

「環境対策で我々にやれることは何かを考えた結果、化石燃料を一切使わない合成燃料、カーボンニュートラルフューエルを使っていこうということになりました。これは海外製のもので、昨年末からのテストを経て、導入することになりました。点火時期や出力などは従来の燃料とは違ってくるわけですが、そこはテストを通して適合していくことになります。各メーカーにはその燃料を使いながら、併せて燃費の良いエンジン作りをしてほしいと考えています。

今シーズンの全8戦に2回の公式テストを含めると、年間約30万リットルほどのカーボンニュートラルフューエルが必要という計算になります。現状はこれを海外から船で運んできているわけですが、これが国産になれば二酸化炭素排出量のさらなる削減にもなると思いますし、日本で出たゴミから燃料が作れるとなると、非常に大きな意味を持つと思います。

一方でタイヤも、グリップ力ではなく長く走らせることを重視して開発してほしい。だから我々は持ち込み本数を減らし、規則を通してそれを提案するという形をとりました。来シーズンは同じレース距離数でさらに1セット減らすつもりです」

新たに導入されるGTマシンについて

——今年初めには、2024年からGT500に導入されるホンダ・シビック TYPE R-GTのコンセプトモデル、そして今季からGT300に導入されるapr LC500h GTが発表されました。これらの新車両についての所感をお聞かせください。

「量産モデルのNSXの生産が終了した訳ですが、ホンダとしては今後、象徴となる車を使ってマーケティングに繋げ、ホンダのブランドを売っていくのか、それとも現在販売している車両の販促をするのかという点で考えた時、営業戦略としてどちらもやろうということで上がってきたのが、シビックだったのだと理解しています。シビックの販売戦略、そしてホンダのイメージにも好影響があれば嬉しいです。

LC500h GTについてモノづくりの観点から言うならば、ハイブリッドというのはカーボンニュートラルに向けたひとつの選択肢になり得ます。燃料と同じく、色んな方向性がある中でハイブリッドという選択肢も認める必要があります」

——500マイルや1000kmといった長距離レース、またタイやマレーシアでの海外戦の復活についてのお考えはいかがでしょうか?

「長距離レースも、環境を壊さないような形であれば可能だと思います。ただやはり、まずは『お客さんにとって面白く、なおかつ環境に配慮したレース』にすることを第一に考えています。長距離レースのことを考えるのはそれからですね。

海外戦を開催する場合、40フィートのコンテナを約60本使って(マシンや機材を)輸送する必要がありますが、コロナ禍で高騰した そのコンテナの価格がなかなか下がりません。加えて各チームの移動費・宿泊費もかかってきます。これらの費用は、海外戦の場合は当該国の開催プロモーターが予算化するのですが、その上での経済効果などを考えた時に、果たして現在の状況下で開催する方向なのか? ということを現地の開催プロモーターとともに考えないといけません」

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