日本でも話題となり発売されれば大ヒット間違いなし
レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語る「Key’s note」。今回のキーワードは「ジムニーシエラ5ドア」だ。2023年1月にインドでの発表以降、世界中のジムニーファンが動向を見守っている。もちろん、木下隆之もそのなかのひとり。日本市場での発売は現時点で予定されていないとのことだが、数少ない情報から、仮に発売されるとしたらどのような仕様になるのだろうか? 木下隆之が予想します。
多くのメディア情報は間違っている!?
スズキ ジムニーシエラの5ドア発売の噂が絶えない。さまざまなメディアで5ドアスクープが報道されており、スズキからは何のアナウンスがないというのに、否定も肯定もされないことがむしろ「デビュー近し」の機運を高めている。
何を隠そう僕も、ジムニーシエラの購入を考えている。だからこそ、5ドアがデビューするのか否かは最大の関心事なのだ。真相を確かめるため、各所にアンテナを張っている。すると、おぼろげながら5ドアシエラの姿が浮かび上がってきたのだ。
ほとんどのスクープメディアがすっぱ抜いている情報に誤りがあると思っている。
搭載するエンジンは、マルチ・スズキ・インディア(インド)で生産する現行シエラの直列4気筒1.5L NAとする報道が大半だが、僕はおそらくマジャール・スズキ(ハンガリー)で生産する欧州仕様の直列4気筒1.5L ストロングハイブリッドだと予想しているのだ。
最初にスクープされた「ジムニーシエラ5ドア」は、インドを走る姿だった。1月にインドで開催された「オートエキスポ2023」でも、マルチ・スズキ・インディアが「ジムニー5ドア」を発表しており、ますます1.5L NA説の信憑性が高まった。
ただし、欧州でスクープされた映像は、その噂を否定する要素が散見された。
まず、欧州でのスクープ写真の片隅に小さく写っていた回転計から想像すると、1.5L NAの発生回転数とは異なっていたのだ。この数値から、スズキ・エスクードに搭載される1.5L ストロングハイブリッドではないかと想像した。
インドの厳しい規制をクリアするにはハイブリッドが必要か
じつは日本でのエスクードは、マジャール・スズキ(ハンガリー)で生産されている「ビターラ」の日本版である。正式にはスズキの現地法人生産の輸入車なのだ。
ストロングハイブリッドだとする根拠がもうひとつある。そもそも、インド生産のジムニーシエラ5ドアを日本に投入するには、厳しい排気ガス規制を通過せねばならない。インドと日本では基準が異なるとされており、それをクリアするために大幅投資をするのならば、環境負荷の少ないストロングハイブリッドをエスクードと同様に輸入する方がはるかに易しい。
いくらクロスカントリー色の強いジムニーシエラだとしても、けして好燃費とはいえず、CO2排出量も少なくなくはない。その現状を放置してもいられないだろう。
という予想から、ジムニーシエラ5ドアが日本に投入された場合は、欧州版ビターラベースの日本仕様エスクードが搭載するストロングハイブリッドとなる。そう予想するのである。
といっても、現行ジムニーシエラの納車がいま注文しても1年から1年半後であることから、日本に投入されるとしても、5ドアデビューのアナウンスは早くても1年後だろうね。