優勝を記念して99台限定でつくられた
参戦車両は、2010年の冬にエンジン、ギアボックス、シャシーと共にエアロパーツも徹底的に改善されたBMW アルピナB6 GT3 Evo。このマシンのドライバーに、元DTMドライバーのアレクサンドロス・マルガリティス氏とGTプロのディノ・ルナルディ氏の両名を迎え、2011年のADAC GTマスターズのドライバーチャンピオンシップを獲得したのだ。
アルピナの名がレースシーンで再び輝いた瞬間だった。これを記念して99台の限定モデルのBMW アルピナ「B3 S ビターボクーペGT3」を東京モーターショーで発表したのである。
今回サザビーズのオークションでの落札価格は8万500ユーロ(邦貨換算約1140万円)。日本での当時の新車価格は1297万円であるので、2012年に製造されたモデルとしては高価といって良いだろう。限定とは言えそれほど古いモデルでもないし、MTではなくて、普通のトルクコンバーター式ATを採用しているモデルなのだから。
しかし高値が付いたのにはほかにも理由がある。この個体の走行距離はわずか636kmで、99台のうちの9番目であることも保証されているのである。
ファーストオーナーはおそらくコレクターであったことが予想されるが、アルピナが輝いていた時期のアイコンとして、今後さらにプレミアムが付くのではないだろうか。