クラシックカーラリーの楽しみ方はいろいろ
2023年4月2日(日)、愛知県岡崎市および新城市を舞台に「Sakura Rally2023」が開催された。ラリージャパンや新城ラリーの開催地でもある同県ではラリー熱が高まっている。会場には、ラリーで街おこしをしたいと考えている岡崎市の中根康浩市長も駆け付け、スタート役を買ってでるほど理解のある行政のひとつといえる。今回は参加者の声をお届けする。
二人一組が基本的なラリー競技
公道ラリーは基本的にドライバーと、コ・ドライバーの2名がペアになって参戦。スピードを競うわけではない場合が多いので、特別な技術が必要というわけでないが、ドライバーはその車両をしっかり理解することはもちろん、競技ではより正確なドライビングスキルが必要だ。
コ・ドライバーはコマ図と呼ばれるルート図を読み、時間を管理するタイムキーパーとしての役割が必要となる。そして、いかに正確に走行するか、いかにその地域の特産物だったり風景だったりを一緒に堪能できるか、この2人の息がぴったり合っていることも重要な要素だろう。
今回の「Sakura Rally2023」には計33台ドライバーとコ・ドライバー合わせて62名が参加した。参加者の中から、気になるクルマのオーナーたちを取材した。
天野優仁さん&三好健一さん/服部佑亮さん&大矢啓太さん
車両:トヨタ2000GT(1968年式)/トヨタスポーツ800(1969年式)
近年、モータースポーツ活動に注力しているNTPホールディングス(名古屋トヨペット・グループ)から参戦したのは、2台4名の社員だ。社内ではショールーム展示で技術のアピールとレストア事業も行っており、2000GTには、FTD(FunToDrive)事業カンパニーの天野さんらが乗車した。トヨタスポーツ800は社内の同好会(会員数64名)から挙手した2名の若者がこの日のドライブを担当した。
水野勝仁さん
車両:トヨタクラシック(1996年式)
トヨタ市販車生産60年を記念し、トヨダAA型をイメージしたクラシックカースタイルで1996年に台数限定販売されたのが「トヨタクラシック」だ。
「父親が購入したモノを譲り受けました」という水野さんが経営している水野鉄工所は、その昔「水野式自動三輪」という車両を製造していた会社。「本当はウチのオート三輪で参加すればいいんですけどねぇ」とコメント。いつか水野式自動三輪車でこういったイベントに参加してくれることに期待したい。
田中宏明さん他9名
車両:マセラティ・ギブリ(1971年式)/マセラティ・カムシン(1974年式)/メルセデスベンツ450SLC(1978年式)/フェラーリ328GTS(1989年式)
これら5台のエントリーカーは、実は一人のオーナーの車両。しかし、当日この場にはそのオーナーはいない。「みんなで行ったら楽しいでしょう」ということで今回はお見送りだけだったらしい。古いクルマばかりかつ女性も多いグループでのエントリーとなった。この中には車両の整備ができるメンバーもいるそうだ。「クルマは動かさないと調子が悪くなる」ということで、安全運転で楽しく一日を堪能した様子。
稲垣隆夫さん
車両:トヨタスポーツ800(1969年式)
当時憧れて、5年落ちの中古車を購入して以来、ずっとこのクルマに乗り続けているという稲垣さんは、奥様の和子さんとともに参加。赤い車両が好きということで、一時は赤く塗っていたそうだが、現在は元のボディカラーに戻して、こういったイベントを中心に参加している。日常使いのメインカーは軽トラだという。「やっぱ軽トラのほうが乗りやすいよ」と話してくれた。
三輪竜太さん
車両:ナッシュ・メトロポリタン(1959年式)
まさに桜色の可愛いアメ車で登場した三輪さんは、名古屋市天白区にあるクラシックカー専門店「ダイヤ自動車」の専務。今回はサクララリーということで、この車両をチョイスして参戦。クラシックカーではあるものの、前オーナーがエンジンやトランスミッションなどをコンバートしており、機関は軽自動車ダイハツ「テリオスキッド」のAT車となる。高速ではアクセルベタ踏みということだが、街中では取り回しも問題なく誰でも乗れる一台に仕上がっている。ちなみに販売予定車(価格は420万円ほど)だそう。