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「ビンボ46」は貧乏な戦後イタリアで生まれたという嘘のようなお話。「イセッタ」より早く生まれたマイクロカーはなぜ作られた?

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循

3年間で約60台だけ生産され幻のクルマに

実車のボディサイズは、全長約2.4m×全幅1.2m×全高0.9mほど。基本は1人乗りだが、ステアリングは車体中央からやや左にオフセットして配置され、必要に応じて2名乗車も可能だった。薄い布製の幌も用意されたそうだが、サイドカーテンはないので耐候性は期待できそうもない。当時の広告には「世界最小のあなたのための車」「時速50km/h」「3Lで100km走る」「ランニングコストは最小限」といった文言が並ぶ。

終戦直後には欧州各国や日本でも簡便なライトカーが雨後の筍のごとく生まれたが、このヴォルグラフォ・ビンボ46もそんな時代が産んだクルマのひとつ。そして他の多くの例に漏れず、ヴォルグラフォ・ビンボ46も3年間で60台ほどが生産されたあと、歴史の舞台からフェードアウトしていった。そんな知られざる名車(迷車?)のエピソードを机上で楽しめるのも、ミニカー趣味の魅力である。

■Auto Cult(オートカルト) 1/43
車名:Volugrafo Bimbo 1946 (ヴォルグラフォ・ビンボ46)
定価:1万6500円(消費税込)
問い合わせ:国際貿易 https://www.kokusaiboeki.co.jp

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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