英国のベンチャー企業「ザ・リトル・カー・カンパニー」が製造する高級マイクロカー
クルマ単体だけ眺めていても、あまりに精密で、これがマイクロカーだとは気づきにくいかもしれない。子どもあるいは大人が乗っていて、はじめてスケール感がおかしいことに驚く、そんなレベルの出来だ。英国はビセスターで2019年より、フェラーリ「テスタロッサ」、ブガッティ「タイプ35」、あるいはアストンマーティン「DB5」のマイクロカーを製作するベンチャー企業、それが「ザ・リトル・カー・カンパニー(The Little Car Company)」だ。すべてのモデルは限定生産で、リアルスケールつまり実車メーカーのライセンスを受けており、メーカー名を名乗ることすらできる。
実車の75%サイズのEVで最高速は70km/h
というわけで「フェラーリ・テスタロッサJ」は限定299台。エットーレ・ブガッティが4歳の愛児にベビー・ブガッティ(I)を贈った故事にちなむであろう「ブガッティ・ベビーII」は500台限定だ。
「アストンマーティンDB5ジュニア」は1059台の限定生産だが、内訳には「ヴァンテージ・ジュニア」もしくは「ノー・タイム・トゥ・ダイ・エディション」まで含まれ、こちらはノーマル・ジュニアの3万9000ポンド(邦貨換算約640万円)より、それぞれ+1万ポンドと+4万1000ポンド高、つまり約800万円と約1300万円のマイクロカーとなる。後者にはボンドカー同様のガジェットもいろいろと付いてくるそうだが、それでも、近頃は高くなった! と日本で諸兄がお嘆きの軽自動車が6~7台はゆうに買えそうな価格といえる。
これまでもヒストリックカー・イベントなどで子どもが乗るマイクロカーは存在したし、ザ・リトルカー・カンパニーのそれは既存の大半の製品と同じく、排ガスを吐かないEVパッケージで、最高速はなんと70km/h前後にも達する。カナダやアメリカといった北米地域では30km/hに抑えられるそうだ。バッテリーパッケージはリチウムイオンで1.8kWh×1か2、もしくは車種によっては4丁がけも可能となる。
ちなみに外寸はブガッティを例にとれば、実車の約75%スケールとかなり大きく本格的で、全長2.76m×全幅1.05m×全高0.8m。大人でもギリギリなんとか乗り込んで、子どもと一緒に楽しめるサイズといえるだろう。