荷台にれんこん満載で走り回るビンテージワークホース
2023年3月19日に富士スピードウェイで開催されたCUSTOM TRUCKS MAG. SHOW。全国各地からカスタマイズされたピックアップトラックが集結した。そこで会場の中で気になる車両にフォーカス。古いダットサントラックをれんこん農家のデリバリートラックに活用している村上さんを紹介しよう。
極上コンディションのダットサン620ピックアップ
CUSTOM TRUCKS MAG. SHOWの会場にはアメリカンピックアップはもちろん、国産のピックアップも数多く集まっていた。そんななかで最も気になる1台がこちら。茨城県からエントリーの村上さんと、1973年式の「ダットサンピックアップ」だ。その型式から「620」の愛称で知られるこのピックアップは、商業車らしからぬスタイリッシュなボディデザインに今でも多くのファンを持つ人気車種だ。
620型はダットサンピックアップとしては7代目となるモデルで、1972年に登場。ダットサンブランドを積極的に北米市場へ輸出することを画策していた日産は、北米での人気を意識しスタイリッシュなボディデザインを採用。かの地でも「Lil’ Hustler(小さな働き者)」という愛称でヒットしたのだ。
側面のロゴは発見した当初のまま? いえいえ違うんです
今回紹介するのは右ハンドルの国内仕様で、白いボディのドアには仕事で使っていた当時のロゴが入る……と思ったのだが、聞けばこのロゴ、現在の仕事で使用するために新たに入れたものなんだとか。つまりこの620ピックアップは、現役で活躍するワークホースというわけだ。
ロゴはピンストライパー、TAP! CUSTOM SIGNSの作で、ツヤのあせたボディに合わせて落ち着いた色としているため、まるで昔からこの状態のようにナチュラルな仕上がりとなっているのだ。
元々の状態を活かして最低限だけ手を入れた
ボディは入手した当初のまま。荷台などサビのひどい部分だけを補修しているが、基本的にはペイントも購入時のままだそう。大きな腐食もなく、半世紀前の商業車ということを考えると、ボディの状態はかなり良いと言えるだろう。前後ともに2インチ(約5cm)ほど車高が下げられており、入手時すでに装着されていたエンケイバハホイールにホワイトリボンタイヤを装着している。
リアゲートはDATSUNのロゴが浮き彫りになる輸出仕様の通称“ダッツンリアゲート”をチョイス。右ハンドルで、和風なロゴマークが入っているにも関わらず、全体の雰囲気からアメリカの雰囲気を醸し出しているのも大きな魅力だ。
クルマは毎日使ってナンボ! 今日もれんこん満載で走り続ける
村上さんが働くれんこん水田は霞ヶ浦沿いに広がり、それは広大な範囲に及ぶそうで、周囲の農家は軽トラなどで収穫したれんこんを運搬しているとのこと。村上さんは、収穫したれんこんの運搬はもちろん、箱詰めしたれんこんの出荷にもこのピックアップを活用している。
「やっぱり仕事で毎日乗るんだから好きなクルマで仕事した方がいいじゃないですか。仕事で使うとすぐに泥まみれになるけど、ちゃんと洗って走ればボディも乾くし、やっぱりクルマは毎日使ってナンボですよね」