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三菱「ギャランクーペFTO」は黄金レイアウトの本気仕様! デザインも優れた隠れた名車でした【国産名車グラフィティ】

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TEXT: 片岡英明  PHOTO: 日本自動車工業会/AUTO MESSE WEB編集部

ドライバーの気持ちを高ぶらせるギャランファミリーらしいスポーティな内装

フラッグシップとして加わったスパルタンな性格の1600GSRが搭載するのは、SUツインキャブ装着の4G32型だ。スペックは110ps/6700rpm、14.2kg-m/4200rpmまで引き上げられている。ロングストローク設計だが、DOHCエンジン並みに高回転まで軽やかに回った。実用域のトルクもそれなりにあり、回していくとエンジン音も気持ちいい。トランスミッションは節度があり、小気味よく入る5速マニュアルを採用する。

GSRは出で立ちも精悍だ。前後のバンパーをカラードタイプとし、渋いシルバーの砲弾型フェンダーミラーを装備した。それだけではただのスポーツクーペだが、GSRは4輪にリベット留めのオーバーフェンダーを装着している。全幅は1655mmまで広げられ、タイヤも当時としてはファットな175/70HR13ラジアルタイヤを装着していた。

サスペンションは、信頼性の高いコルトギャラン16Lから受け継いだ。平凡なレイアウトだが、味付けとバランス感覚が絶妙だから意のままの痛快な走りを楽しむことができた。フロントはストラット、リアはリーフスプリングによるリジッドアクスルだ。ハードに引き締め、時代に先駆けてリミテッドスリップデフも標準装備する。その効果は絶大で、意のままの鋭い走りを見せた。

インテリアは、ギャランGTOの流れを汲むスポーティなデザインだ。ソフトパッドを使ったT字型デザインのダッシュボードを採用し、ドライバーの前には4つの計器盤とベンチレーションルーバーで5連メーターと感じさせるようなデザインを採用している。

中央の大きな丸型メーターは200km/h表示のスピードメーターと、7200rpmからレッドゾーンのタコメーターだ。その左右に燃料計と水温計を配した。

センターコンソールはオプション設定だが、追加しただけでグッと車格感がアップした。ステアリングはGTOと同じ3本スポークのスポーツタイプだ。コラムには三菱自慢のマルチユースレバーを装着。サッシュレスドアのため乗降性は良好だ。GSRのオーバーフェンダーは好評だったが、1974年秋の保安基準改正で取り外された。その半年後、ランサーセレステに座を譲り静かに消えていく。いぶし銀の走りが光る隠れた名作がFTOのGSRだ。

ギャランクーペ FTO 1600GSR(A63)
●年式:1973
●全長×全幅×全高:3765mm×1655mm×1320mm
●ホイールベース:2300mm
●車両重量:875kg
●エンジン:4G32型直列4気筒SOHC
●総排気量:1597cc
●最高出力:110ps/6700rpm
●最大トルク:14.2kgm/4800rpm
●変速機:5速MT
●サスペンション(前/後):ストラット/リーフスプリング
●ブレーキ(前/後):ディスク/リーディングトレーリング
●タイヤ:175/70HR13

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