スピードレンジは低いけれど、やはり奥は深い
きわめてニッチな世界? でも競技ライセンス取得の際に一度は触れることがある、はずのジムカーナ競技。各地でジムカーナ競技はもちろん練習会等も行われているが、なかでも「初心者に易しいジムカーナシリーズ」として参加者を集めている「Luft Gymkhana Challenge」の2023シーズン開幕戦の会場で、その魅力を探ってみた。
シリーズは年間4戦でおこなわれている
ちなみに「Luft Gymkhana Challenge」シリーズは、三重県鈴鹿市にある3つのサーキットのうち、一番小さなサーキットであるモーターランドSUZUKA(MLS)で毎年開催されているシリーズで、今年で開催7シーズン目を迎えている。シリーズは年間4戦でおこなわれており、1周1kmのMLSのコースレイアウトを活かし、毎回新たなコースを設定して開催している。そこに足繁く通い好成績を残している面々に話を聞いてみた。
#42 佐野翔太選手(GR86/ZN8/クラス4)
昨シーズンのルフト・ジムカーナチャレンジ最終戦に参戦して、今回がジムカーナ参戦2戦目という佐野選手。普段はサーキットでの走行会等でタイムアタックを楽しんでいる。このGR86への車両買い替えを機に「運転がうまくなる近道」という話を聞いてジムカーナ競技を初体験。その昨年末の一戦では「悲惨なくらいにボロボロでお粗末な結果」ということで、今年一年参戦を続けてみようということで同シリーズに継続して参戦中。
#62 北野巧典選手(S+ADVANインテグラPSM/DC2/ EXP.)
今年から近畿地区戦のジムカーナ大会に参戦をする北野選手もこのルフト・ジムカーナチャレンジに創設当初から参戦している一人。サーキットだとスピード域も高く、車両を壊すと高くついてしまう。さらに、コースアウトなどすると他の方に迷惑をかけてしまう、ということから、ジムカーナ競技への参戦を続けている。この場ではいろいろと教えてくれる人も多く、毎戦走行の際のポイントやアドバイスをもらうことで、参戦の度に上達することができている、という。
#34 小林雅幸選手(DL☆TDFモノノフBRZ/ZC6/クラス3)
学生時代に自動車部に属しており、その場でジムカーナやダートラを体験。社会人になって6年前にダイハツコペン、2年前にスバルBRZを購入し、ジムカーナを楽しんでいるのが小林選手だ。といっても学生時代はジムカーナはあまり得意ではなかったそうだ。
それでも社会人になって競技を続けたいと考えると、手軽にできるのはジムカーナかな? ということで練習会に参加していたところ競技会への出場を誘われ、現在は本格的に近畿ミドルシリーズに参戦している。ジムカーナは競技をやっているのが少ないので若干寂しいけれど、すそ野は広いし、あまりお金も掛からず、何かを変えるときっちりタイムが変わっていく、という点で楽しめると語ってくれた。
#31 堀 央尚選手(ざきともアルテッツァ/SXE10/クラス3)
このルフト・ジムカーナチャレンジの立ち上げ時から参戦している堀選手は、シビックやランサーで現在地区戦にも出場しているという。このルフトのシリーズは「大会でありつつ、練習会の延長でもあり」ということで、参戦を継続中。自分たちの実力試しにも使える手軽さがあるという。この日の車両は元所有車。友人であり、車両の現オーナーの尾崎友哉選手(ボロテッツァ/SXE10/クラス3)とのダブルエントリーで参戦していた。
#41 三崎 康選手(86オヤジ/ZN8/クラス4)
「他にライバルがいなかっただけ」といいながらも、昨年クラスチャンピオンを獲得した三崎選手。もともとはサーキットなどの走行会等で走り、自分のタイムを見て楽しんでいたようだが、ジムカーナの練習会に出るようになり、それがきっかけでこのルフトのジムカーナチャレンジに参加するようになった。他の選手との交流を深める時間もあり、そんな仲間でありライバルたちとの研鑽を楽しむようになっている。
#12 藤木和広選手(ALCアルト/HA36S/クラス1)
本格的なクローズド格式の大会でありながら、ライセンスが不要ということでちょこちょことこのシリーズに参戦して3シーズン目という藤木選手。ジムカーナの魅力は、なんと言っても他車とではなく、あくまでも自分の走りにしっかり向き合えることだという。このシリーズでは、タイムや順位を気にせずに楽しめるため、徐々にタイムアップをすることを目指し、真面目に取り組んでいる様子。
#21 朝原 崇選手(DXL e’Tuneロードスター/NA8C/クラス2)
マツダ ロードスターを日々のドライブ用に購入した際、「人馬一体」を実感したいということで広場での走行会に参加したのがきっかけで、ジムカーナ競技を開始。ジムカーナ歴3年目となるのが朝原選手だ。昨年はJMRC近畿ジムカーナミドルシリーズ(BR3クラス)チャンピオンも獲得し、今年は地区戦に参戦を開始する。それでもこのルフト・ジムカーナチャレンジに参戦するのは、練習走行をしっかりできて安心なこと、同乗走行も可能でフレンドリーな参加者との交流も楽しいということから、という。
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サーキットみたいなハイスピードでの競技であると、ちょっとしたミスや何かあったら一発で廃車になってしまう可能性もある。そういうことも考えれば、自分たちにとってはベストだという意見が多かった。また、今回の「Luft Gymkhana Challenge」のように、本格的な競技会でありながらも始めやすく参戦しやすいイベントもある。
「ジムカーナに興味があるなら一度参戦したら?」と多くの参加者に誘われた。自分のドライビングテクニックを磨きたいというのなら、一度ジムカーナ競技にチャレンジしてみることをお勧めする!