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「働くトラック」で着地! 荷台を浅くする意味あるの? 戦後アメリカのシボレー「3100」のカスタムに見るカスタムの美学とは

エアサスで着地した1949年式シボレー3100ピックアップ

カスタムペイントが美しい魅惑のビンテージピックアップ

2023年3月19日に富士スピードウェイで開催されたCUSTOM TRUCKS MAG. SHOWには、全国各地からカスタマイズされたピックアップトラックが集結した。今回は、会場内でもきわだって古いモデルであるシボレー「3100ピックアップ」を紹介しよう。

アメリカのショーカーを元に自分流スタイルを実現

CUSTOM TRUCKS MAG. SHOWの会場には、最新モデルからビンテージモデルまでさまざまなピックアップが顔をそろえたが、なかでも際立って古かったのが、この1949年式のシボレー3100だ。40年代特有のフェンダーが独立した丸みのあるボディには、複雑なラインを重ねた美しいカスタムペイントが施されており、会場でもかなり目立っていた。

オーナーの金城さんはこの車両を購入して7年ほど。もともとアメリカで製作されたショーカーだったそうだが、徐々に自分のアレンジを加え現在の姿になったそうだ。

戦後間もない時期のピックアップでグラウンドタッチを実現

シボレー3100はポストウォーモデルのピックアップであり、「Advanced Design」シリーズとして1947年に登場。その後49年に1/2t積みは「3100」、3/4t積みは「3600」、1t積みは「3800」と呼ばれるようになった。またピックアップボディのほか、パネルトラックと呼ばれるバンや、乗用モデルのサバーバン(ステーションワゴン)が用意された。

丸みを帯びたボディデザインは今でもファンが多く、カスタムピックアップのベースとしても根強い人気があるモデルだ。金城さんは、そんな働くピックアップである1949年式の3100を見事にカスタム。足まわりを中心に徹底的に手を入れ、エアサスによってランニングボードの着地を実現しているのだ。

荷台のフロアを底上げしてカスタムした足まわりをカバー

純正は現在の姿よりも20cm近く車高が高い状態となるが、この車両はリアフレームのCノッチ加工やサスペンションの4リンク化など大幅なモディファイをおこない、さらにエアサスを装着することで、この車高を実現している。

そして大きく上方に移動したフレームやデフをカバーするため、ベッドフロアはかなり上方に移動しているのもポイント。カスタムした箇所はできるだけ見せないのがクールというわけだ。もちろんベッドフロアを上に移設したことでフラットな荷台としてもしっかり機能しており、荷物を詰めむことができるのもピックアップのカスタムとしては重要だ。

60年代の手法を再現したカスタムペイント

金城さんのもとに来てから最後におこなわれたのがカスタムペイントだ。丸みのあるボディラインに沿って幾重にも重なるラインと塗り分けは、匠の技と呼ぶに相応しい作品となっている。

ホイール&タイヤもあえて一段明るいグリーンでペイントした社外のスチールホイールに、ホワイトウォールのバイアスタイヤを組み合わせることで、60年代のカスタムと最新のエアサスセットアップを融合したオリジナルカスタムとなっているのだ。

さらに3.5Lの直列6気筒エンジンとマニュアルトランスミッションが標準となるが、この車両は350ci(5.7L)のV8と3速ATに換装済み。快適なドライブが可能となっているのだった。

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