『ルパン三世 カリオストロの城』のフィアット「500」のミニカー決定版が登場
青年向けコミックに連載されていたモンキー・パンチ氏の原作をもとにTVアニメ化された『ルパン三世』は、とくに第1シリーズの前半はちょっぴりアダルトなテイストで、それまでの子ども向けアニメとは一線を画する内容。時代とともに徐々に人気を高めていった。その魅力のひとつが、大人向けの緻密なストーリーとともにその世界観にさらにリアリティを付加する、劇中に登場するメカの数々だろう。
メカやクルマのチョイスと描写の巧みさもルパン三世の大きな魅力
主人公のルパン三世がワルサーP38のスライドを引いて銃を撃つと、硝煙とともにブローバックしながら薬莢が排出される……。そんなディテールまで再現されたTVアニメは、かつて例を見ないものであった。アニメに登場するリアルなメカは銃器だけに止まらない。フェラーリ「312B」にロータス「72」、メッサーシュミット「KR200」にルノー「4CV」、シトロエン「Hトラック」、そしてルパンを追い続ける銭形警部の「ブルーバード410」パトカー等々。登場人物たちが劇中で駆るクルマたちもまた、その車種選定の巧みさで見るものを唸らせた。
そんなルパン三世だが、なかでも最も有名なクルマといえば、やはりルパン三世の愛車として描かれたフィアット「500」だろう。TV第1シリーズ開始時にはメルセデス・ベンツ「SSK」に乗っていたルパン三世だが、第1シリーズ後半からはしばしばフィアット500も登場するようになる。
そして「ルパンの愛車はフィアット」のイメージを決定的にしたのは、1979年暮れに公開された劇場映画『ルパン三世 カリオストロの城』の劇中で活躍する黄色いフィアット500だろう。この作品がきっかけでフィアット500のオーナーになったというファンも少なくないと思われる。
そんな「ルパンのフィアット」の模型は、今までにもさまざまなプラモデルやミニカーで製品化されてきたが、ここでご紹介するのは最新の話題だ。「ルパンのフィアット」のモデルカーとしてはおそらく最大にして最良、その詳細をお届けしよう。
ルパン三世に憧れて育った新進気鋭の模型メーカーが満を持してリリース
量産ミニカーとしては最大級の1/12というビッグスケールで「ルパン三世 カリオストロの城 FIAT 500」を製品化したのはS14(エスワンフォー)という模型メーカー。2009年2月に創設された新進気鋭のメーカーで、飛行機モデルやフィギュア、モデルカーなどを得意とする。
同社の開発陣は「子どもの頃からオタクで漫画好き、アニメ好き、乗りもの好きで、一番好きなアニメがルパン三世。将来大人になったらルパンになりたいと思いながら育ち、個人的にも一時期はチンクエチェントの実車にも乗ってた」と自称する筋金入りのツワモノ。
ホビー業界にメーカーとして参入した当初から、漫画&アニメ・コンテンツのなかから自社製品として最初に生産・販売するキャラクターは『ルパン三世』と決めていたといい、そんな同社が時間をかけてモデル・エンジニアリングのノウハウを蓄え、満を待してリリースしたのがこのミニカーというわけだ。